8tips最大効率の経営
中小企業でも「大学との共同研究」をおススメする理由
「大学との共同研究」という形態をご存知でしょうか。共同研究とは、民間企業等の研究者と国立大学等の教員とが共通の課題について対等の立場でおこなう研究をいいます。企業としては、新たな製品や技術を開発しようとする際に、自社で保有していない知見や技術が得られる有用な手段の1つとなります。また、大学の優れた人材や高額な研究設備を活用できることも大きなメリットになります。一方で大学側としては、企業に資金を提供してもらって研究ができるというメリットがあります。
一般的に、大学との共同研究ときくと、大企業が取り組むものではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、中小企業こそ活用できるものだと考えます。実際に、私たちの中小企業のお客さまでも、新しい製品や技術の開発で地元の大学との共同研究をおこなっている企業がありますので、今回は事例を2つご紹介します。
事例① 金属加工業
まだ他社では確立されていない新たな金属加工技術を、地元国立大学の工学系の研究室と共同研究。大学から金属材料や応力などに関する知見と、加工後の分析を得て、開発に成功。この技術を活かして新製品を開発し、新規取引先の獲得につなげ、売上の柱の1つに成長させた。
さらに、それだけではなく、大学と継続的な共同研究関係を築くことで、複数名の卒業生が当該企業に就職する、という人材採用のパイプにもなっている。
事例② 食品加工業
新たな製品分野の食品加工に挑戦する際に、地元国立大学の農学系の研究室と共同研究を実施。大学から食品特性に関する知見と、試作品の成分分析を得ながら開発。製品化に成功し将来的に新たな売上カテゴリーとして期待。大学との共同研究の成果をPRすることで消費者マーケットからの信頼も獲得。
どちらの事例も大学との共同研究に直接かかる費用は年間で数十万円程度であり、中小企業であっても支出可能な金額です。この水準の投資額で、企業単独では購入できないような高額な実験機器や分析機器を活用でき、最先端の学術的知識を有する教員や学生の協力が得られる、と考えると安いものではないでしょうか
また、外部との交流で企業に吹く「新しい風」にも期待できますし、前述のように優秀な大卒人材を地元で採用できる可能性もうまれます。
一般的に、共同研究に際しては、研究費用の他に、研究範囲、役割分担、知的財産権などについて契約書を締結することになります。また、大学により学部や研究分野が異なりますので、共同研究の可能性を検討する際は、まずは大学のホームページなどで関連しそうな分野の研究をその大学がおこなっているかを調べ、その大学の産学連携を扱っている部署に相談してみることからはじめてはいかがでしょうか。
【関連記事】
会社経営についてご相談ください
- 課題を明確にしたい。
- 課題解決の方法がしりたい。
- 課題の整理がしたい。
- セカンドオピニオンがほしい。
企業経営に関するプロフェッショナル集団が
お客さまの状況に合わせてご相談を承ります。
【セミナー情報】
【ライブラリ】
- NEXT
- 営業での脱属人化のススメ