売上30億未満の企業がほぼ半数!なぜ今、売上100億に挑戦する企業が増えているのか
「今のままではいけない。成長しなければ未来はない」。そう強く実感されながらも、目の前の売上確保や、日々の現場対応に追われている。そして、「大きな投資や構造改革は、もう少し準備が整ってからにしよう」と、先送りにせざるを得ない。そんな「葛藤」を、多くの経営者が抱えていると感じています。
そうした足踏みの状況から一歩踏みだそうと、今、経営者が注目しているのが、経済産業省が推進している「100億宣言」というプロジェクトです。
あえて高い目標に挑む
これは企業が将来的な「売上高100億」という目標と、それを実現するための取り組みを社外に表明する制度で、開始以来、全国で3,700社を超える企業が宣言しています。
注目すべきは、宣言している企業の直近の売上高です。実に45%強が「売上高30億未満」の企業で占められています。つまり、現在の実績よりもはるかに高い目標に挑戦している企業が多数を占めているのです。
| 売上高 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10億円未満 | 11 | 0.3% |
| 10~20億円 | 1,076 | 28.6% |
| 20~30億円 | 654 | 17.4% |
| 30~40億円 | 450 | 12.0% |
| 40~50億円 | 396 | 10.5% |
| 50億円以上 | 1,178 | 31.3% |
| 総計 | 3,765 | 100.0% |
※出所:経済産業省「100億企業成長ポータル」掲載データ(2026/9/28時点)より加工
「100億宣言」がもたらす、会社全体の意識改革
では、深刻な人不足やコストの高騰など、重い課題を抱える中で、なぜあえて社内外に「売上高100億」というきわめて野心的な目標を宣言するのでしょうか。
経済産業省の「100億企業成長ポータル(https://growth-100-oku.smrj.go.jp/)」に掲載されているインタビューをみると、宣言した経営者からは「大きな目標をかかげることに、遠慮はいらない」「宣言することは公に約束すること。だから逃げられない」「単なる売上目標ではない。社員、業界の幸せを見据えた意思表示」といった声が聞かれます。
経営者がとらえている「100億宣言」の真の価値は、単なる優遇支援や補助金の獲得ではありません。あえて高い目標を公に掲げることで、経営者自身が覚悟を決める。そして、幹部や社員、取引先など、会社に関わるすべての人たちの「視座(ものごとを見る目線)」を一気に引きあげる「変革のきっかけ」にすることなのです。
「前年比プラス●%」という積みあげ思考からの脱却
経営者の方に「来期の目標売上」を尋ねると、「目標は前年比プラス●%」という回答をいただくことが少なくありません。日々の改善を通して着実に収益を確保し、積みあげていくことは決して簡単なことではありませんし、会社や社員を守るうえで大変重要です。
しかし、「前年比」という過去の延長線上の思考に縛られすぎると、どんなによい会社であっても「小さな枠組み」に収まってしまいがちです。
この「積みあげ思考」を打破するためには、これまで考えたことがないような高い目標を設定し、そこから逆算して自社の事業成長を描く「バックキャスト思考」へ組織の意識を切り替える必要があります。たとえば、「10年後に100億達成するなら、3年後にはこの新規事業が必要だ」と未来から現在を振り返って考えるのです。その意識を変えるための手段のひとつとして、「100億宣言」が活用されています。
幹部との対話から始まる、新しい未来づくり
実際に「100億宣言」をおこなうかどうかは、選択肢のひとつに過ぎません。大事なのは、経営者と幹部が同じ未来を見据え、過去の延長線上ではない成長シナリオを描くことです。
「バックキャスト思考」への第一歩は、まずは幹部との対話から始まります。「もし、人不足や資金の制約が一切ないとしたら、どんな100億企業を目指したいか?」と問いかけ、将来のビジョンを共有してみてください。
一方で、「今の幹部に問いかけても、新しいアイデアは出てこない」「日常業務が忙しいと抵抗されるだけ」という呟きも聞こえてきそうです。
もし、自社だけで幹部の本音を引き出し、議論を通して現実的なロードマップをつくることがむずかしいと感じる場合は、「壁」を突破するためのパートナーとして外部の専門家を活用してみるのも有効な解決策です。
私たちみらいコンサルティンググループも、経営者の皆さまの「壁打ち相手」として、未来を描くサポートをおこなっています。もし、少しでも現状を打破したいとお考えなら、ぜひお気軽にご相談いただけますと幸いです。
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