成果は「結果」、追求すべきは「構造」
昨今、多くの経営者から「変化が激しすぎて、継続的に売上や利益を出すのが難しい…」という声をよく耳にします。確かに、デジタル化の加速、消費者ニーズの多様化、グローバル競争の激化など、企業を取り巻く環境は日々変化しています。
このような状況下で、企業が存続・成長していくためには、もちろん売上や利益といった「成果」は重要です。しかし、成果だけを追い求める経営では、短期的な数字は上がっても、長期的な競争力を失うリスクがあります。持続的な成長を実現するためには、成果を生み出し続ける「構造」により注目する必要があります。
今回は、成果を生み出す構造を築くための、3つの基盤づくりについてご紹介します。
1. 組織の土壌を耕す:心理的安全性の構築
結果だけを重視し続けると、社員同士の関係性がぎくしゃくしてしまいます。その結果、自発的な思考や行動が生まれず、かえって結果が出ない…という悪循環に陥ります。
成果を出すためには、まず社員間の関係性を構築することが大切です。特に重要なのが「心理的安全性」の構築です。ここで言う心理的安全性とは、単に「何を言っても怒られない環境」ではありません。より素晴らしくなるために、建設的な本音の対話ができる風土のことです。
また、短期的な目線だけでなく、中長期的なミッションやビジョンへの共感を生み出すことで、「ウチならではの社風」が生まれます。この独自の社風こそが、優秀な人材を引きつけ、育て、競争優位の源泉となるのです。
本音の対話とウチならではの社風が、持続的な成長の原動力となります。
2. 真の顧客を創造する:自社バイアスからの脱却
売上や利益などの数字だけを追い求めると、商品やサービスの内容が「自社目線」になりがちです。その結果、お客さまが感じている実感価値を無視してしまうことになります。
このような状態では、短期的には売上・利益が上がっても、持続的な成長には繋がりません。重要なのは、自社目線の当たり前(バイアス)にとらわれず、お客さま目線で提供価値を考えることです。
お客さまの真のニーズを理解し、それに応える価値を提供することで、単なる「売上」ではなく、真の意味での「顧客創造」が実現できます。この顧客こそが、安定した収益を生み出し続ける源泉となるのです。
3. 「やらないこと」を決める勇気:選択と集中
人材も時間も有限です。だからこそ、価値を生み出す行動に集中する必要があります。真の集中を実現するには、まず「削減」する部分を決めなくてはなりません。これは簡単なことではありませんが、持続的成長のためには避けて通れない道です。
具体的には、自分や自部署の行動が、どのようにお客さまへの価値提供に繋がっているかを常に考えることが重要です。そして、価値提供に繋がっていない行動については、「やらない」と決断する覚悟が求められます。
価値のない行動を「やめる」ことで、リソースを本当に重要な業務に集中させることができます。
成果は後からついてくる
変化の激しい時代だからこそ、目先の成果だけでなく、成果を生み出す過程に注目することが重要です。
- 組織文化の構築: 関係性と心理的安全性を基盤とした組織づくり
- 顧客創造: お客さま目線での価値提供
- 選択と集中: やらないことを決める勇気
この3つの基盤を整えることで、企業は持続的な成長を実現できる、と私たちは考えます。成果は結果として後からついてくるものであることを、ぜひ実感していただきたいと願っています。
いかがでしょうか。持続的な成長を実現する、というのは決して容易なことではありませんが、みらいコンサルティンググループではそれを目指す企業さまを全力でご支援したいと考えています。お気軽にお知らせいただけましたら幸甚です。
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