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AI時代の人間の価値は?~変わらない本質

AI時代の人間の価値は?~変わらない本質

皆さまは、AIにどのようなイメージをお持ちでしょうか。 「ブレードランナー」や「アイ,ロボット」など、ロボットが感情を持ち、自ら考えて行動する姿を描いた映画は数多くあります。これらは、AIが発達した未来の世界を想像した作品です。

AIの概念を最初に提唱した人物の一人として知られているのが、1950年代の英国人アラン・チューリング。現在のコンピューターにつながる基礎的な考え方を構築した天才数学者であり、第二次世界大戦中には、ドイツ軍の暗号機「エニグマ」の解読にも貢献しました。

それから約80年のあいだに、AIには第1次から現在の第4次まで、4回のブームがあったといわれています。総務省の情報通信白書によると、現在の第4次ブームは「大規模言語モデルと生成AI」が中心。この流れを整理すると、AIは蓄積された知識を探す段階から、過去の知識をもとに新たな情報やコンテンツを生み出す段階へと進化してきたといえるでしょう。

AI時代に残る「人間の仕事」

では、このような時代において、現在から未来に生きる人間の価値はどのように変化していくのでしょうか。 すでに米国では、AIの導入を背景に、大手IT企業が人員削減を進めています。一方で、海外のメディアは「ブルーカラービリオネア」という言葉を使い、電気工事士や配管工など、建設に関わる技能職が高い収入を得ている状況を伝えています。日本でも建設現場における技術者不足は深刻であり、業界によっては現場職の重要性が一段と高まっているのが現状です。

このように、AIに置き換えられにくい職種には共通する特徴があります。 たとえば、医師、看護師、心理カウンセラー、介護士、弁護士など、人間の感情をくみ取り、高い共感力や倫理観が求められる仕事。また、大工、庭師、美容師などの職人も、現場の状況に応じた柔軟な判断や、手先の感覚、経験が必要な職種です。 さらに、不確実な状況のなかでリーダーシップを発揮し、決断を下す経営者も同様にAIには置き換えられない役割といえます。

「感情」と「身体感覚」が人間らしさの源泉 

早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授は、知識を持ち、効率よく正解を導き出すことだけに長けた人は、AIに置き換えられる可能性があると指摘しています。そのうえで、人間の価値を高めるものとして「感情労働」と「直観力」を挙げています。

また、AIには内臓がないため、「胸騒ぎ」や「腑に落ちる」といった身体感覚を持つことはできないともいわれます。人間は昔から、感情や思考を体の感覚と結び付けて表現してきました。「胸がつぶれる」「腹を決める」といった慣用句からも、人間が感情や決断を身体感覚として捉えてきたことが分かります。

AIと競争しない未来へ 

そう考えると、AI時代であっても、人間に求められる本質は大きく変わらないのかもしれません。 知識が豊富で、効率よく正解を出せるだけではなく、相手の気持ちを理解し、自分自身の感覚や経験を生かして行動すること。さらに、相手との信頼関係を築き、状況に応じて責任ある判断をすること。このような力を持つ人は、感情、経験、信頼を通じて、周囲や社会に新たな価値を生み出すことができます。

AI時代における人間の価値とは、AIと競争することではありません。AIを便利なツールとして活用しながら、人間にしかできない共感、判断、創造、そして責任を発揮すること。そこに、人間らしい価値があるのではないでしょうか。
皆さまも感じられているとおり、今後もAIはますます進化し、社会への実装が進みます。だからこそ、変わらない本質を見つめなおすこと、それが大事だと考えます。

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