若者に選ばれ、ヒトが育つ組織へ 〜「働きやすさ」の先にある「働きがい」をどう育むか〜
昨今、人手不足の深刻化に伴い「いかに若手人材を採用し、定着させるか」は、多くの企業にとって最重要の経営課題となっています。
求人票の条件を整え、「働きやすい環境」を用意しても、期待した若手が数年で転職してしまう――。私は主に東北地域を拠点として活動していますが、そんな悩みを抱える経営者や人事担当者の声を日々耳にしております。
今、自社が若者に選ばれ、根を張って成長し、将来に向かって長く活躍してもらうために、企業には何が求められているのでしょうか。
いま若者が会社に求めるもの
現代の若手世代が会社に求めるものは、「安定」や「高収入」だけではありません。残業が少なく、有給休暇が取りやすいといった「働きやすさ(労務環境の白さ)」は、もはや選ばれるための「前提条件」となっています。
「待遇」や「働きやすさ」だけでは定着しない
若者の離職を防ぐために、給与を引き上げたり、柔軟な働き方を用意したり、残業を削減したりすることはもちろん有効です。しかし、それだけでは「選ばれる会社」にはなれても、「辞めない会社」にはなれません。
なぜなら、条件や環境などの「働きやすさ」だけでつながれた関係は、より条件のよい他社が現れれば、容易に崩れてしまうからです。
真の定着のために不可欠なのは、条件面の充実だけでなく、「働きがい(仕事の意義・やりがい)」や「見てもらえている意識」を育むことです。
「働きがい」は最初からあるものではなく「育むもの」
しかし、入社してすぐの段階から「この会社にはすばらしい働きがいがある」と実感する社員はごく少数ではないでしょうか。
新入社員のうちは、覚えることも多く、地味な作業や小さな失敗も続くものです。だからこそ企業側に求められるのは、「働きがいを徐々に育んでいくプロセス」を組織文化として根付かせることです。
具体的には、以下のような密なコミュニケーションを通じたケアが不可欠となります。
- 小さな成功体験の積み重ね
最初から大きな達成感を求めるのではなく、日々の成長や貢献を承認し、「自分はこの組織で役に立っている」という心理的安全性を育みます。 - 日々の仕事が社会価値につながっていることへのフィードバック
単に作業を指示するだけでなく、「その仕事が巡り巡って誰の役に立っているのか(社会的意義)」を上司が言語化し、丁寧に伝えていくコミュニケーションを活性化します。
初期の数年間でこうしたコミュニケーションを通じ、成功体験への承認、若手や自社の仕事の価値を伝えつづけることで、若者は自らの存在感を認識します。そして自社の仕事に誇りを持ち、やりがいを見出し、組織への愛着(エンゲージメント)を高めていきます。
このじわじわと立ち上がってくる「働きがい」こそが、長期定着に向けた強い土台となるのです。
若者に選ばれつづける会社とは、単にやさしい環境を提供する会社ではありません。「自分自身の成長を感じられ、社会や誰かの役に立っていると実感できる場所」を提供できる会社です。
みらいコンサルティンググループでは、このようなテーマをもとに、人事制度の構築や、自社の育成環境やビジョン浸透化、対話のあり方を構築するプログラムをおこなっています。ぜひお気軽にご相談ください。
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