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2021.09.15
右肩上がりの経営

バックキャストで考えるこれからの人材育成

バックキャストで考えるこれからの人材育成…

ポイント

①「フォア」と「バック」の使い分けが持続可能性を高める

② 将来のビジネスモデルに必要なスキルを定義する

③ 外部コンテンツやプラットフォームを活用する

 

持続可能なビジネスモデル構築のための二つの思考法

外部環境の変化が急速に進む中「今後の事業をどのように再構築していくか?」といったテーマでお客様と話をする機会が非常に増えています。そのような時には事業再構築のアプローチとして二つの考え方を紹介するところから始めます。一つ目は、フォアキャスト思考(既存の延長線上でビジネスモデルを組み立てる考え方)。そして二つ目は、バックキャスト思考(ありたい姿から逆算思考でビジネスモデルを組み立てる考え方)です。どちらのアプローチにも一長一短のところはあり、事業環境や経営状況に応じて使い分けをすることが大切なのですが、昨今のように変化が激しく、見通しが立てにくい環境下においては、バックキャスト思考が効果的と思います。現在の制約条件を取り払って、そもそもどうありたいのか?どうあるべきなのか?と思考を一段引き上げることで、ギャップが明確になり、その課題解決に向けてのアクションを整理することができるようになるからです。

 

参考)フォアキャストとバックキャストの比較

 

人材教育にもバックキャストの視点を取り入れる

人材育成についても、上記と同様のことが考えられます。立派なビジョンや戦略を組み立てたとしても、それを実行する人的リソースが不足し、思うように事業再構築が進んでいかない、というジレンマに悩まれているケースをよく目にします。特に、デジタル技術の普及が進む中、DX人材の不足問題は(地方中小企業の方がより顕著に)深刻さを増しているように感じられます。

 

ですので、今後のあるべきビジネスモデルを考えた時に、従業員にどのようなスキルを習得させる必要があるのか、この点の検討が欠かせません。そこで最近注目されているキーワードが「リスキリング教育」です。世界経済フォーラムの年次総会(いわゆるダボス会議)では2020年1月、「リスキリング革命」と題し、今後10年で10億人に対し、リスキリングに向けたより良い教育、スキル、仕事を提供することが発表されました(※1)。国内でも経済産業省が「デジタル時代の人材政策に関する検討会」でリスキリングというキーワードが取り上げられています(※2)。リカレント教育・OJT教育との違いを以下に整理します。

リスキリングを推進するには、経営者はこれからのデジタル化時代を見据えたうえで、自社に必要なスキルを定義し、現状とのギャップを埋めるためのプログラムを用意する必要があります。もちろん、そこには一定程度の投資が必要になります。

 

ただ、IT企業やよほどの大企業でない限り、全てのプログラムを自前でまかなうのには限界があります。特にデジタルスキルは、業種業態を問わず共通の要素が多いので、外部コンテンツやプラットフォームを活用することで投資額を削減できる可能性があります。例えばGoogleが2019年よりスタートさせた「Grow With Google」では、AI活用やデジタルマーケティングの講座を無償で公開しています(2021年9月現在)。他にも経済産業省が認定する「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」では、IT・データ分野を中心とした専門的・実践的な教育訓練講座が指定されており、一定の要件を満たすことで「専門実践教育訓練給付」の対象となります。また、手前ミソではありますが、みらいコンサルティンググループでもみらいビジネスラボ(MBL)にて定額制オンラインLIVEセミナーを提供しています。(https://mblab.jp/

 

このように、リスキリングを促進するためのプラットフォームは徐々に整いつつあります。その一方で、これらを最大限活用するには、将来的にありたい姿を明確化し、それを実現するにはどのようなスキルが必要なのかを明確にすること、いわゆる、バックキャスト思考が不可欠です。今後の持続可能なビジネスモデルを検討するにあたり、事業内容にとどまらず、従業員に必要なスキルにまで踏み込んでいただくことで、事業再構築の道筋が明らかになるのではないでしょうか。

もし、バックキャスト思考を使って将来を整理してみたい、と思われましたら、ぜひ担当のコンサルタントにご相談ください。専用のセッションプログラムを用意しています。

 

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参考)
※1 世界経済フォーラムウェブサイト(英文)
The Reskilling Revolution: Better Skills, Better Jobs, Better Education for a Billion People by 2030
https://www.weforum.org/press/2020/01/the-reskilling-revolution-better-skills-better-jobs-better-education-for-a-billion-people-by-2030/

※2 経済産業省ウェブサイト
第1回 デジタル時代の人材政策に関する検討会 デジタル人材に関する論点
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/001_03_00.pdf

 

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