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2023.01.12
社員が幸せな経営

5年で1兆円~来たるべきリスキリングの波にどう向き合うか

5年で1兆円~来たるべきリスキリングの波にどう向き合うか…

2022年10月初旬、岸田首相が秋の臨時国会所信表明演説にて、個人のリスキリング(学び直し)の支援に今後5年で1兆円を投じると表明しました。それもあってか、検索トレンドは急上昇(GoogleTrends参照)、新語流行語大賞にもノミネートされ、ちょっとしたバズワードと化しました。年末年始の新聞記事を読んでいても「リスキリング」というキーワードが多く目についた印象があります。今後、そういった機会はますます増えるものと推察されます。では、企業としてこのリスキリングの波にどう向かっていけばよいのでしょうか

 

そもそもリスキリングという言葉が注目されるようになったのは、2020年のダボス会議がきっかけだと言われています。第四次産業革命に伴う技術革新に対応するために「2030年までに全世界で10億人により良い教育・スキル・仕事を提供する」という宣言がされました。さらに、「人材版 伊藤レポート2.0」(経済産業省のサイトに移動します)においても人的資本経営を実現する人材戦略に必要な要素の一つとして「リスキル・学び直し」というキーワードが取り上げられ、注目度が高まるきっかけとなりました。

 

以前のコラムでも取り上げましたが、リスキリングとはビジネスパーソンが将来必要とされる技能を習得することで、生産性の向上や企業のビジネスモデル変革に寄与することです。つまり、現在のビジネスモデルの延長線上で考える(フォアキャスト)のではなく、ありたい姿・あるべき姿から逆算(バックキャスト)して考える必要があります。つまり、リスキリングは手段であり、目的ではないということです。リスキリングが目的化せぬよう、そもそも何を実現したいのか、「軸」をもつことが必要になります。

 

実際に軸を定めた上での次のアクションは、どのようなプログラム・コンテンツを整えるのか、検討することになります。近年はウェブラーニングの環境の充実も進んでいるため、リアルとウェブを上手く組み合わせながら進めていくと効果的でしょう。ただし、ウェブラーニングの場合、対象者によるデジタル環境の格差(デジタルデバイド)が生じないよう配慮が必要です。また、これらを推進するための組織横断型の組織を新設するのも一手です。そして何よりも大切なのは、社内機運の醸成です。あくまで、リスキリングは企業が主体的に推し進めるものです。従業員にとっては見知らぬ海に飛び込む感覚を覚えることも多く、その意義や目的を丁寧に説明する必要があります。経営トップ自らがリスキリングに取り組むことで、従業員が安心して挑戦することができた、というケースもあります。

 

ところで、リスキリングで「何を」習得するのが良いのでしょうか?基本的には企業が目指す方向性によるところが大きいと思いますが、第四次産業革命下の現代においては、「デジタルリテラシー」の向上が望まれるところです。経済産業省が「Di-Lite」(経済産業省のサイトに移動します)として定義しているITパスポート、G検定、DS検定、あたりから進めてみるのも一手でしょう。社内に「新たな共通言語」が生まれることにより、中長期的なトランスフォーメーションに寄与することが期待できます。

 

良くも悪くも激動が予想される2023年。この世の流れにどのように対応するのか、その絵姿を描き、取り組む姿勢や仕組みを従業員へ示すことが大切です。みらいコンサルティングでも皆さまの変革に寄り添うべく、さまざまな実現支援メニューを展開しております。気になった方はぜひ担当者にお声掛けください。

 

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