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社員が幸せな経営

研修の効果がでない原因は?〜現場のリアルからみえた行動変容のプロセス

研修の効果がでない原因は?〜現場のリアルからみえた行動変容のプロセス

「研修を実施しても、社員の行動がなかなか変わらない」

経営者や人事担当者から、こうしたお悩みをよく耳にします。時間と費用を投じても現場に戻れば元通り。そんなとき、原因を「研修内容の質」や「受講者の意欲不足」に求めてしまいがちです。

しかし、現場でのご支援を重ねてみえてきたのは、学んだことを実践できる「職場の環境」こそが成果を大きく左右するという事実です。どんなに有益なスキルも、使う場がなければ定着しません。研修は受講した当日で終わるものではなく、現場での実践と定着までを一体で設計する必要があります。

「全員が一度に変わる」という前提を手放す

以前、管理職層を対象に、傾聴や承認、ビジョン策定などを現場で実践・報告してもらうプロジェクトをおこないました。企画段階から現場での活用機会を組み込み、受講者の状況をみながら経営者と伴走する形です。

いざ始めると、積極的に実践する社員がいる一方で、当初はどこか他人事で課題が進まない社員もいました。そこで経営者と共有したのが、「全員が一度に変わることを前提にしない」というスタンスです。

全員が足並みを揃えて変わるのが理想ですが、個々の意欲や業務の余裕は異なります。最初から全員に同じ変化を強いるのではなく、まずは前向きに動く社員を確実に後押しし、その熱量を周囲に波及させる道を選びました。

前向きな社員が背中を押された「事前の期待」

では、前向きに取り組む社員は何がきっかけだったのでしょうか。プロジェクト終了後の懇親会で直接伺うと、大きな気づきがありました。

研修開始前、私たちは経営者にお願いし、受講者一人ひとりへ「なぜあなたに受けてほしいのか」という期待を直接伝えてもらっていました。ある社員は「社長からの期待に応えたい」という想いでスタートし、視座や思考が広がる面白さを実感。最終的に全社会議で成果を発表した際、「共通言語ができたことで組織が団結していくのが嬉しかった」と語ってくれました。

トップからの事前の動機づけと「変化の手応え」が、主体的な推進役を生みだす土台になったのです。

「やらされ感」を解消した、目的と共通言語のすり合わせ

一方で、初期に消極的だった社員はなぜ前向きに転じたのか。理由を探ると、決して意欲が低いわけではなく、「研修の目的が腹落ちしていない」「専門用語の意味が分からず戸惑っている」という、受講環境のギャップに原因がありました。

そこで、単に講義を進めるのではなく、「なぜ今ありたい姿を設定するのか」を受講者同士で意見交換し、目的や言葉の定義をすり合わせる場を設けました。その結果、「自分たちにとって必要なことだ」と当事者意識が芽生え、前向きな姿勢へと劇的に変化していったのです。

「何を学ぶか」から「どう実践させるか」へ

最終的に、この前向きになったメンバーたちが中心となり、プロジェクト全体によい空気を広げてくれました。

研修を企画する際、私たちは「何を学ばせるか」に目を奪われがちです。しかし重要なのは、

  •  経営者が事前に個別の期待を伝えること
  • 目的や言葉の意味を丁寧にすり合わせ、当事者意識を育むこと
  • 動いた社員の小さな変化を、組織全体の共通言語に広げていくこと

「研修の効果がでない」と感じたときこそ、内容の良し悪しだけでなく、現場で変化を起こすための「対話と環境づくり」ができているかを振り返ってみてはいかがでしょうか。

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