部下の「心のブレーキ」を外す魔法の問い ~自律を育む対話術~
「とりあえず、やってみたらいいじゃないか」 上司や先輩の立場からすれば、背中を軽く押しているつもりのその一言。しかし、部下や後輩が頑なに自分の殻に閉じこもり、新しい挑戦を避けているように感じることはないでしょうか。
「失敗を恐れているのか」「それとも、今のままでいいと思っているのか」。仕事の場面だけでなく、日常生活やたとえば、子育ての場でも、同じようなもどかしさを抱くことは多々あるはずです。
みな、決して「怠けよう」としているわけではありません。実は、内側では「現状維持バイアス」という、目に見えない重力が働いていて動けなくなっているのです。
「見えない重力」の正体
人は本能的に、新しい変化で手に入る「かもしれない利益」よりも、今の安定を失う「目に見える痛み」を大きく見積もってしまいます。これまで積み上げてきた経験や、その時々の解釈によって作られた「自分自身のイメージ」が、無意識のうちに挑戦にブレーキをかけているのです。
まだ手にしたことのない「未知の果実」よりも、いまここにある「確実な安らぎ」を優先してしまうのは、人間として至極当然のことかもしれません。
このバイアス(心理的な偏り)は、重力のように重く、自分一人ではなかなか気づくことができません。では、誰がその重たいブレーキを外してあげられるのでしょうか。それは、他でもない、日々彼らと向き合っている私たちです。
「自分の正解」という罠
部下や後輩の変革を促すとき、私たちはついつい自分の成功体験や「経験則」をもとにアドバイスしてしまいがちです。しかし、時代も背景も異なる相手に、自分の正解を押し付けても、かえって彼らを萎縮させてしまうことがあります。
当然ながら、自分と全く同じ経験をしてきた人間はこの世に一人もいません。また、ひとつの事実に対する解釈も千差万別です。ここで必要なのは、「答え」を教えることではなく、「問い」を投げかけることです。
- 「今、何が起きているの?」
- 「それをどう受け止めた?」
- 「そう感じたのは、どうしてだと思う?」
- 「この経験から、次はどんなことができそうかな?」
ついつい答えを言いたくなるものですが、そこをぐっと堪えなければなりません。答えを教えれば、その場は早く片付くかもしれませんが、それは彼らが「自分で壁を乗り越える機会」を奪っていることと同じなのです。
「教え」と「対話」を使い分ける
もちろん、現場ではフィードバックを「その場で」せざるを得ないときもあります。スピードが命のビジネスにおいて、それを否定するつもりはありません。短期的な結果が求められる緊急の仕事や、大きなトラブルが予測される場面においては、「対話」は必ずしも効率的とは言えず、「教える」ことも大事です。
「対話」を通じて、成長を促す。短期的な成果は目に見えにくいかもしれません。ただ、チャンスを前向きに捉える「挑戦する人材」を育てるためには、問いかけによって生まれた「気づき」の積み重ねが大事だ、と私たちは考えています。
小さな問いが、組織を動かす
「人間関係」や「人の成長」は、偶然にはつくられません。挨拶、声のかけ方、そして何より「聴く姿勢」。
まずは今日、部下や後輩とのコミュニケーションのなかにひとつ「問い」を入れることから始めてみませんか?その小さな一歩が、数ヶ月後の組織を、より強くしなやかなものに変えていくかもしれません。
私たちみらいコンサルティンググループは、こうした「対話」を軸とした組織づくりや次世代リーダーの育成を全力でサポートしています。お悩みがありましたらお気軽にご相談ください。
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