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右肩上がりの経営

外国人活用の最前線 ~ 企業が「青田買い」する時代に!

外国人活用の最前線 ~ 企業が「青田買い」する時代に!

昨今の最低賃金の大幅な上昇や、大手企業による記録的な賃上げ。これらは地域経済を支える中小企業の皆さまにとって、かつてないほど大きな悩みとなっているのではないでしょうか。

「採算性が悪化している」「採用コストをかけても、そもそも応募がない」「せっかく育てた社員が、条件のよい都会の企業へ流出してしまう」。こうした切実な声は、日々のお客さま支援の現場でも、悲鳴に近い形でお聞きすることが増えました。

もちろん、多くの企業がただ手をこまねいているわけではありません。コストの価格転嫁への挑戦、IT導入による業務効率化や省人化、そして大手企業に負けじと断行する賃上げ。生き残りをかけた必死の模索が続いています。

「2035年」というタイムリミット

しかし、私たちが直面しているのは一時的な景気の波ではありません。日本全体の労働生産人口の減少という、構造的かつ避けられない現実です。

ある調査の予測によれば、2035年には日本全体で1日あたり1,775万時、人数にして約384万人分もの労働力が不足するとされています。とくに製造、建設、介護などの労働集約型産業を主軸とする地域企業にとって、この「人不足」はもはや経営努力だけでカバーできる範囲を超え、事業継続そのものを左右する死活問題となります。

この危機を乗り越えるための戦略として、今あらためて真剣に向き合うべきなのが「外国人材の活用」です。

「日本が選ぶ」から「日本が選ばれる」時代へ

ここでひとつ、認識をアップデートしなければならない事実があります。それは、かつての「日本が働き手を選んでいた時代」は完全に終わったということです。

現在、世界中で人材の獲得競争が激化しています。ベトナムやインドネシア、フィリピンといったかつての「送り出し国」も目覚ましい経済成長を遂げており、若者たちは日本だけでなく、韓国、台湾、あるいは欧州や中東など、より条件のよい国を自由に選べるようになっています。

さらに追い打ちをかけているのが「円安」です。日本で働いて母国へ送金するメリットが相対的に低下した今、「日本に行けば稼げる」という神話は崩れつつあります。今の外国人材にとって、日本は数ある選択肢のひとつに過ぎません。

こうした環境変化に伴い、先進的な企業ではすでに「選ばれるための攻めの投資」が始まっています。

「青田買い」が常識に? 日本語教育も企業が負担する時代

最近のトレンドとして顕著なのが、外国人材が来日する前、つまり現地の送り出し機関にいる段階から関係性を築く「青田買い」のような動きです。

これまでは、日本語をある程度習得した人材を「選考」するのが一般的でした。しかし今では、「教育費用を企業側が負担し、現地で日本語教育を受けてもらう」という手法を取り入れる企業が増えています。

「まだ働いてもいないうちからコストをかけるのか」と驚かれるかもしれません。しかし、現地の学生にとっては「この会社は自分たちの成長を応援してくれる」という強い安心感とロイヤリティ(忠誠心)に繋がります。また、企業にとっても、自社の理念や専門用語をあらかじめ教育できるため、来日後のミスマッチを大きく減らすことができるのです。

「教育機会」という最強の福利厚生

さらに一歩先を行く戦略として、私たちが提案したいのが「来日後の高教育機会の提供」です。

たとえば、通信制の大学や専門学校と提携し、働きながら学べる環境を整えるのはいかがでしょうか。 「日本へ行って技術を学びたい、知識を蓄えたい」という向上心の強い若者にとって、学位や資格が取得できる環境は、単なる給与以上の強い魅力となります。「学んで賢くなったら、もっとよい条件の会社に転職してしまうのではないか」という不安もあるでしょう。しかし、現実は逆です。自らのキャリア形成を全力で支援してくれる会社を、彼らは簡単には離れません。むしろ、そうした「学びの文化」がある企業には、より質の高い、優秀な人材が集まってくるという好循環が生まれます。

不安を解消するための3つのステップ

もちろん、外国人材の受け入れには不安もつきものです。多くの方が抱く懸念には、具体的な処方箋があります。

  1. 言葉と文化の壁への対応 業務を動画マニュアル化したり、あいまいな表現を避けた「やさしい日本語」を社内標準にする。これは日本人若手社員の教育効率も高めます。
  2. 管理負荷への対応 ビザ申請や生活支援などは、無理に自社で行わず外部の専門機関(登録支援機関など)を頼ってください。コストを「人事部門の外注費」と捉えれば、社内リソースを本業に集中させられます。
  3. 定着面への不安への対応 「〇年後にはリーダー、活躍次第では責任者」というキャリアパスを明示すること。そして、地域の祭事などにいっしょに参加し、「この町に自分の居場所がある」と感じてもらうことが大切です。

成長のための「パートナー」として

外国人材の活用は、単なる「労働力の穴埋め」ではありません。異国の地で挑戦しようとする彼らの熱意は、日本人社員に健全な刺激を与えます。異なる文化背景を持つ視点が、新商品のアイデアや海外販路の開拓に繋がった事例も少なくありません。

私たち日本人が、彼らを「労働力」ではなく、未来をともに創る「パートナー」として迎え入れる。その覚悟と具体的な仕組みづくりこそが、これからの地域企業が勝ち残るための唯一の道ではないでしょうか。

みらいコンサルティングでは、複数の送り出し機関や登録支援機関と提携し、体制構築から定着支援まで一貫したサービスを提供しています。「まずは何から始めればいいのか」というご相談からでも構いません。ぜひ、お気軽にお声がけください。

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