「社長の失敗談」が会社を強くする 〜挑戦を恐れない組織文化の育て方〜

会社をけん引する社長は、社員にとって頼りになる存在です。でも、「社長が何を考えているのかわからない」と感じている社員も一定数いるようです。
社長と社員とでは視座の違いもあり、間に目に見えない壁ができてしまうことがあります。社長が完璧にみえると、社員は意見を言ったり、新しいことに挑戦するのをためらい、せっかくの成長のチャンスを逃してしまうかもしれません。
「心理的安全性」が、次世代のリーダーを育てる
社員が持っている力を最大限に発揮し、会社の将来を担うリーダーに育つためには、いわゆる「心理的安全性」のある環境がとても大切です。心理的安全性とは、「こんなことを言ったらどう思われるのか」「失敗したら評価が下がるのでは」といった心配をせずに、誰でも安心して発言したり行動したりできる状態のことです。
最強の武器は、経営者自身の「失敗談」
心理的安全性を高めるひとつの方法として「社長自身が失敗談を話すこと」、ということがあります。たとえば、「あの新しい事業、実は立ち上げのときに大失敗しちゃってね」「会社を始めたばかりの頃は、お金のやりくりで本当にヒヤヒヤしたよ」といった話は、完璧に見える社長の人間らしい一面を社員に伝えます。
こうすることで、社員は社長を「同じように悩みながらも前に進む、身近なリーダー」と感じ、親近感や信頼を持つようになります。その結果、会社の課題を「自分ごと」として考え、「自分だったらこうする」という意見やアイデアを言いやすくなるのです。
自分の失敗を飾らずに話す姿勢は、社員の心を開き、信頼関係を築くうえでとても効果的です。
「失敗」を許容し、「挑戦」を称賛する文化へ
社長が失敗をオープンに話す姿は、会社全体に「この会社では、失敗しても大丈夫だよ」という、 無言の、しかし力強いメッセージを送ります。これは単に失敗を慰めるのではなく、「失敗から学んで次に活かせばいい」「挑戦したこと自体に価値がある」という、前向きな文化の土台を築くことにつながります。
そして、自分の失敗が会社の成功につながると感じられるとき、社員一人ひとりの挑戦はより価値あるものへと変わります。そして、上司の顔色をうかがうのではなく、お客さまのために何が一番よいかを考え、自ら動ける人が育っていくのです。
これからの会社に必要なこと
変化の激しい時代に、会社がずっと成長し続けるには、社長の指示だけでなく、現場の社員一人ひとりが自ら挑戦することがとても重要です。その原動力になるのが、心理的安全性が生み出す「挑戦する組織文化」です。
まずは、経営会議などで、ご自身のちょっとした失敗談から話してみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、社内の心理的安全性を高め、より強くしなやかな会社に変えるきっかけになるかもしれません。
挑戦できる組織風土づくりへの具体的な進め方や、会社が抱える課題についてどう取り組めばよいかお悩みでしたら、ぜひお気軽にみらいコンサルティンググループへご相談ください。
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