8tips社員が幸せな経営
ライフシフト ~ シニア人材の活かし方
2021年4月の法改正では、定年後再雇用者も含めた同一労働同一賃金の施行や70歳雇用の努力義務化など、超高齢化社会に向けてシニア人材の活用を促進する動きが活発です。人材不足の課題も抱える企業が多い中、この動きも受けて、定年延長や60歳代社員の処遇の改善などを検討する企業が増えています。その一方で、シニア人材を現場でどう活用するかには、消極的だったり、苦心している企業が多いと感じています。
シニア人材の活用は、なぜ難しいのか?
シニア人材の活用に関する課題として、企業からよくあげられるのは次のような点です。
・働くモチベーションが低い
・パフォーマンスの低下
・組織の中でマネジメントし難い
・新たに任せたい職務領域がない など
もちろん上記に該当するのはすべてのシニア人材というわけではないのですが、多くの企業でシニア人材になる前後から、意欲や成果が停滞していると周りから見なされている人材も多いというのも事実ではないでしょうか。組織内でのシニア人材の不活性や分断は、これからシニア人材の割合が現状よりも増加することが見込まれる多くの企業において、組織全体への悪影響を及ぼす可能性が高く、放置できない問題となっているといえます。
シニア人材のモチベーションは、なぜ低下するか?
最も顕著な課題として、働くモチーベーションの低さに注目して、その理由を考えたときに、報酬・処遇に関する不満もさることながら、より本質的な部分としては、以下のような点が見受けられます。
・本人の自分自身のキャリアに対するあきらめ感(自信喪失)
・組織内での疎外感(降職などで従来の役割を外れる、組織との関係希薄)
・周囲からの期待低下(期待される役割が不明)
働きがいの低下⇒やりがいの低下⇒生きがいの低下は、どこへ行っても、何をやっても不平不満ばかり言うようになり、「老害」となってしまう可能性もあります。
シニア人材を組織で活かすためのポイント
シニア人材を活躍させるには、以下のような点がポイントになると考えます。
・シニア人材のキャリアの自律意識を高めるための機会(キャリア研修等)を設ける
(会社からのやらされ感ではなく、健全な危機感を持ち、自分のキャリアを自ら主体的に考えて、準備してもらう必要があります。)
・シニア人材に対する期待・役割を明確にして、伝える
(組織の中での貢献度や評価が実感できることが、働きがい、やりがいにつながり、モチベーションの低下を防ぎます。)
・多様な働き方の可能性・選択肢を用意する
(短縮勤務、リモートワーク、社内FA制度、副業推進など、シニア人材以外でも多様な人材の受入れのための土壌をつくります。)
「人生100年時代」を見据えて、シニア人材を含むあらゆるキャリアステージの人材をいかに育成・活用し、組織の「強み」を引き出せるかが、企業にとってますます大事な取組みになってくるのではないでしょうか。定年延長、といった仕組みの導入だけではなく、個々働く人の心理面も考えた適切な運用が重要だと考えます。
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