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「スタートアップエコシステム」が生み出す地域での新たな可能性

「スタートアップエコシステム」が生み出す地域での新たな可能性…

「スタートアップエコシステム」とは、スタートアップ企業が成長・成功するための環境提供やサポートをおこなうためのネットワークです。このネットワークに含まれるのは、投資家や支援機関、教育機関、行政、経営支援の専門家などで、これらの組織や関係者が相互に連携し合うことで、イノベーションと経済成長を促進することを目的としています。

 

特に近年、地域ごとにその特性に根ざしたスタートアップエコシステム(「地域スタートアップエコシステム」)が注目されており、地域独自の(経営)資源や文化を活かしたスタートアップが次々と誕生しています。たとえば、長野県の軽井沢では、豊かな自然とその生活水準を背景に、エコテクノロジーやヘルスケア分野の企業が育っています。また、沖縄県の那覇市では、豊かな観光資源を活かし、観光体験をデジタル化するスタートアップが発展、地元のアクセラレーターや大学と連携して地域全体の成長を促進しています。

 

また、その中でも地域スタートアップエコシステムの代表例のひとつとされる福岡市は、アジア各国と近いという優位性により、日本から海外への進出、海外から日本への進出、双方のハブとしての役割が期待されているように感じます。「スタートアップ都市ふくおか」として、スタートアップビザを発行し、外国人起業家が福岡で活動しやすい環境整備も進めていたり、地元の大学や企業が連携して新たなテクノロジーやサービスを生み出す場を提供するなど、市全体でスタートアップを支援する体制を整えています。

※2024年10月には、11回目となる「StartupGo!Go!」が開催され、海外のスタートアップやピッチイベント、自治体、金融機関、スタートアップエコシステムが参加するグローバルスタートアップイベントがおこなわれました。

https://startup-gogo.com/2024/

 

ただ、地域スタートアップエコシステム構築にあたっては、いくつかの課題も明らかになっています。そのひとつが「人材不足」です。都市部と比べて若い人材が不足しがちな地方では、優秀な人材の確保がスタートアップの成長にとっては欠かせないポイントとなります。リモートワークを活用した都市部人材を誘致する仕組みや、地元での人材育成プログラムを充実させることが求められています。

 

また、資金調達についても課題があります。都市部と比べてベンチャーキャピタルや投資家のネットワークが限られることから、資金獲得のハードルが高くなっている、というものです。ただ、これに対しては、自治体や地元企業が連携して投資ファンドを設立する動きや、クラウドファンディングを活用した資金調達など、方法も多様化しており、今後も地域金融機関などがいわゆる「リスクマネー」の担い手として存在感を増してくるのではないでしょうか。

 

地域のスタートアップエコシステムが持続的に機能するポイントは、「都市部と地域の連携」と「グローバルな視点」であると考えられています。地域の特性を活かしつつ、世界に向けてその価値を発信することで、本当の意味での地域創生へと繋がっていくのではないでしょうか。

もちろん、地域でビジネスをおこなう既存の企業すべてがこの「エコシステム」の一翼を担っていらっしゃるのだと思います。私たちみらいコンサルティンググループも注目してまいりますし、各地の当社コンサルタントと共創させていただく機会をひとつでも多くいただけますと幸甚です。

 

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