みらい経営者 ONLINE

経営課題の発見・解決に役立つ情報サイト

みらい経営者 ONLINE

  1. 世界を駆ける経営
  2. 海外展示会のススメ

8tips世界を駆ける経営

2023.02.01
世界を駆ける経営

海外展示会のススメ

海外展示会のススメ…

 

各業界で多くの展示会が開催されていますが、皆さまは海外の展示会への出展や視察の経験はありますでしょうか?最近、欧州における業界最大規模のメーカー展示会を視察する機会がありましたので、そちらでの経験をお伝えしたいと思います。

 

この展示会は2,000社を超える数の企業が出展し、数万人が来場する大規模なものです。特に今年は新型コロナによる中止等を経て3年ぶりのリアル開催ということで、多くの人で賑わっていました。欧州の主要産業の1つである自動車分野など、デジタル技術をはじめ最先端の技術が一堂に会する様は圧巻だったといえます。欧州マーケットでの取引拡大を狙い、半数以上が海外からの出展であり、日本からも多くの有力企業が出展しているのですが、その中で出展されている私たちが長くご支援しているお客さまを事例としてご紹介させていただきます。

 

こちらのお客さまは中小の部品メーカーですが、国内大手企業の下請け中心だったものの、製品ライフサイクルの衰退期や国内市場の縮小に危機感を抱いていました。新たな収益の柱を模索していたところ、欧州市場の開拓に目を付け、糸口としてこの展示会の視察から始められました。そして、2年後に助成金を活用しながら出展にチャレンジ、以降継続出展されています。

展示会では欧州の大手企業複数社と接点を築くことができました。その後は持ち前の技術力を活かして開発オファーに対して必死に応え続け、各社からの量産受注に成功し、今では会社の新たな収益の柱として成長しています。さらにいいこととして、これらは「技術力に見合った対価」として利益率の高い取引ともなっています。

 

この事例は、中小企業でも技術を売りに海外の大手企業と十分に渡り合える姿を示しています。初めは海外という情報不足、語学や商慣習の問題など、手探りの状況ではあったものの、果敢にチャレンジし続けた成果といえます。

 

余談ですが、実際に視察してみて、日本の展示会との違いを感じたことがあります。日本の展示会では企業ブースに製品をたくさん並べ、製品や技術の説明を詰め込みがちですが、欧州ならではのシンプルでデザイン性の高いブースが並んでいました。食事やワイン、コーヒーやスイーツを提供するブースも多く、自由な雰囲気で商談が進む光景があちらこちらで見られました。このあたりは価値観や商習慣の違いといえましょう。

 

海外というと一見ハードルが高く感じるかもしれません。しかし、市場開拓に成功するためにはチャレンジし続ける覚悟が必要なことも確かです。百聞は一見に如かず、まずは視察してみることからでも始めてみてはいかがでしょうか。

 

【関連記事】

【深圳レポート】第130回広州交易会がオフライン・オンライン同時開催

ウィズコロナ時代の海外進出

PREV
ベトナムのいまとみらい <第7回> ベトナム視察ツ…
NEXT
【深圳レポート】HUAWEI(ファーウェイ)、自動車関連…

ページトップへ