8tips世界を駆ける経営
海外工場磨きのススメ
海外工場の改善は、国内工場の改善より効率的
アジアは世界の工場から世界の市場へとその役割を移してきています。一方で、いまだ多くの日系企業がアジア、特にASEANに工場を持っています。
その目的は、まず海外工場の「価格競争力」でしょう。発展したサプライチェーンを活用した部材の調達力、比較的安価な労働力を利用した工場運営、国によっては優遇税制も存在しており、日本に比べ生産コストを削減することができます。
しかし、現地の日系工場を見てみると、日本国内工場に比べ、まだまだ改善の余地があるケースが多く見受けられます。すでに洗練された日本の工場をさらに改善するよりも、いまだ本気で手を付けていない海外工場を磨く方が、遥かに効果があるという会社も多いのではないでしょうか?
ポイントは優秀な人材の派遣/採用
その際に、大切なポイントとなるのは、「工場をよく知った優秀な人材を登用できるか」、ということでしょう。国内工場のエースを海外工場に送り込めるか、という判断も重要です。それが難しい場合は、同レベルの人材を現地で採用する努力が必要となってきます。大変な判断となりますが、グループ全体の視点および中・長期的視点から考えた場合、それがグループにとって最も効果的である場合も多いと感じています。
在庫管理と原価管理はできている?
特に在庫管理、原価管理の部分は改善の余地が多く、効果も期待できます。在庫がどこにどれくらい存在しているか、しっかり把握できているでしょうか? 発注のタイミングは適切でしょうか? 発注責任者の評価はしっかりなされているでしょうか? 材料のロス率・歩留り率に改善の余地はないでしょうか? 特に人材不足が原因で改善に手を付けられていない工場をよく見受けますが、一方で特定のローカルスタッフに依存してしまっていることが逆にボトルネックとなって改善が進められないケースもあります。
はじまりは本社による現地把握
まずは、本社側で目をそらさず、現地の現状をしっかり把握をすることがスタートとなります。本社の協力によって即座に解決できる課題もありますが、そもそも本社と現地とでは、技術力、情報量、経験値、信用力、知名度等が大きく異なります。本社が現地の課題とその原因、真因を正しく認識し、真剣に向き合ってくれることで改善が大きく進むと感じています。
海外工場は、改善の宝庫です。グループ最適の視点で経営資源の効率的活用を考えた場合、それらを海外工場へ投入し、海外工場磨きをおこなうことで、グループの全体の収益力が増加し、グループ全体の価値向上をもたらす可能性があります。思い当たるふしがある方は、ぜひご検討いただければと思います。
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