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江南布衣事件から学ぶ「倫理観」と「ガバナンス」
江南布衣(以下「JNBY」という)は1994年に創立された、杭州江南布衣服飾傘下の有名な現地デザイナーによるレディースブランドです。「jnby by JNBY(以下「JBJ」という)とは、そのJNBYが2011年春に立ち上げた子供服ブランドです。
2021年9月22日の夜、不適切なデザインや英文が印刷されたJBJのシャツに、注目が集まりました。JBJのシャツには「Welcome to the hell」(地獄へようこそ)や「Let me touch you」(あなたに触らせて)などの英文がプリントされ、サタンやスカルヘッド、残酷な絵柄が描かれ、見る人に不快感を与えるものでした。
JBJは同社の公式微博「JNBY _by_JNBY」を通じて翌日9月23日の午後、公に謝罪しました。
9月26日の夜、杭州西湖区の関連管理部門はJNBYを聴取しました。同時に西湖区市場監督管理局などの部門が調査チームを立ち上げて、この事件について調査をおこない、法律に基づいて処分しました。(その内容は公示されていませんが、弁護士の話によると《未成年保護法》第十一条、第五十五条と《広告法》第九条、第十条に違反とのことだそうです。)
この事件の影響を受けて、JNBYの株価は9月24日(金)に13.2%下落し、27日(月)にはさらに9%以上下落しました。9月27日の終値は13.58香港ドル/株で、時価総額は2営業日で約19億香港ドルが蒸発したことになります。
この事件の要因としては、ここ数年、JNBYのデザインチェックが継続的に低下しているなどが挙げられています。品質管理部門も製品チェック、製品設計といった品質コントロールの義務 を履行していませんでした。ユニークなデザインと革新力は会社の発展に不可欠かもしれませんが、正しい倫理観が欠け、文化を尊重・理解せず、そして0~10歳の子供への影響を考慮せずにおこなったものは失敗する、という良い例ではないでしょうか。
この事件はJNBYとしての企業倫理の欠如と、管理体制の機能不全が露呈しており、改めて子会社ガバナンスの重要性を示しているといえます。
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