8tips世界を駆ける経営
上海での「ROUND ONE」体験より
日本の有名なゲームセンター、ROUND1(中国語名:朗玩(ランワン)、以下「朗玩上海」という)が、2021年12月に上海市宝山区のショッピングモールの中に上海一号店をオープンしました。中国本土では広州市、深セン市に次いで3店目となります。立地場所としては上海市の中心ではないですが地下鉄駅からは直通となっていて便利です。
▲朗玩上海 地下鉄7号線 大場鎮駅
私が訪れたのは春節前の1月後半、中国ではちょうど冬休み期間中なので店内は多くの子供たちで賑わっていました。1階から3階まで3つのフロアを構え、約7,000㎡と上海においても他にはない大きな規模です。内装は日本と同様ですが、ターゲットは地元中国人ということでもちろん日本語の表記はどこにも見かけません。
1階には色んな種類のアーケードゲーム機がおいてあります。またトランポリンや3on3などのスポーツエリアもあり、一般的なゲームセンターと違うのはすぐわかります。2階はスポッチャとUFOキャッチャーエリアです。3階にはボーリング、カラオケボックスと音楽関係のゲーム機が設置されています。店内は明るくテンポが速いBGMが流れていてワクワク感を演出しています。
日本では24時間営業もあるようですが、中国では平日は午前2:00まで、金曜日と土曜日は午前5:00までとなっています。
この朗玩上海が人気の理由は下記のように考えられます。日本も同じでしょう。
・アミューズメント、ボーリング、カラオケ、スポッチャなどの施設が豊富で、幅広い年齢層が満足できる
・室内なので天候に左右されず楽しめる
・親子が一緒にスポーツできる
・遊びと同時に運動不足を解消できる
・他では体験できない「遊び」が揃っている
ただ、残念ながら以下のような課題もまだあるようです。
・店内従業員が少なかったため、満足できるサービスが行き届いていない
・シューズなどは無料でレンタルしているが消毒作業が行われず不衛生
・バッティングなど危険性がある設備については、使用方法などを説明するスタッフを配置するなどの安全対策が必要
また、筆者もボーリングやカラオケを体験してみたかったのですが、残念ながらかなりの待ち時間で諦めました。しばらくの間ゆっくり楽しむには平日に来るしかなさそうです。
中国のレジャー産業は新型コロナウイルスの感染拡大で、大きな打撃を受けましたが、ゼロコロナ対策の成果もありその後順調に回復しています。近年、ディズニーランドやユニバーサルスタジオなどのテーマパークのオープンや、グランピングを中心としたアウトドアブームもあり、レジャー産業は多様化し、その選択肢が増え続けています。ROUND1も複合型レジャー施設として現在のところ競合は見当たりませんので、順調に支持されていくものと思います。
ただ、今後は更に新規参入が増えていく市場であることは明らかであり、かつ中国ではすぐに類似の模倣施設が現れるでしょうから、よりローカルに密着した差別化が必要になってくるでしょう。
ちなみに先にも少し触れましたが、この店舗は「日系」を全く感じさせません。「日系」にはどうしても「高品質・高価格」というイメージがあるので、今や必ずしも全てのユーザーに刺さるキーワードではなくなっています。様々な業種でローカルブランドの台頭もあり、これからはことさら「日系」をアピールするのではなく、ビジネスやサービスの本質で勝負する時代に変化してきていると言えるのではないでしょうか。
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