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2022.04.27
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現地から体験報告!上海ロックダウンから見えたもの

現地から体験報告!上海ロックダウンから見えたもの…

日本でも多くの報道がされていると聞きますが、上海のロックダウンの実体験、そしてそこから感じた中国という国について、今回はお伝えしたいと思います。

 

米がない!

一番深刻な問題だと思うのが、伝えられているとおり、食糧不足です。

 

上海では小区(団地)ごとに食料の配給がおこなわれ、野菜中心ではあるものの、たまに冷凍の肉や魚も入っていることもあります。ただ、これまで週一回程度計3回の配給があったのですが、米が入っていたのは2回目の配給からで、しかもたった1kg。

 

私の住む小区には30棟程度の建物がありますが、各棟ごとにWeChatのグループチャットがあります。そのグループチャットに、2回目の配給日「私はお米を食べないから、必要な人がいれば差し上げます。」という投稿がありました。調達に苦心していた私はこの呼びかけに飛びついたのですが、そうすると、「私の家はお米が豊富にあるので、私の分もあげます。」という家庭が2軒現れ、私は自分に配給された米と合わせて4kgの米を入手することができたのです。一番困っていたときに助けてもらい、この時の感謝は言葉では言い表せないほどでした。

 

頼んだものが届かない!

もう一つ別の体験です。私が水とウーロン茶、ビールを1ケースずつ購入し、配達をお願いしたときのことです。

 

配送員から、小区の門に到着し係員に渡した、との電話連絡があったので、あとは小区のボランティアさんが門から自宅まで届けてくれるのを待つだけ、と思っていたのですが、配達終了時刻の21:00を回っても届かなかったのです。そこで、棟のグループチャットで管理員宛てに、頼んだものが届いていないことを報告したところ、すぐに同じ棟内の住民が我が家を訪ねてこられて、門まで探しに行ってくれると言っています。その日は土砂降り、既に22:00、さすがに申し訳なく感じたのですが、流暢な中国語を話せるわけではないので、仕方なく成り行きに任せることにしました。すると、数十分後、なんと水とウーロン茶をわが家まで運んできてくれたのです。更にそこになかったビールについては、配送員に電話で確認までしてくれました。実はビールはこの日配達をしていなかったことが判明したので、少しバツが悪い気持ちはあるものの、その日は安心して就寝しました。

 

驚きはさらに続きます。翌日の朝、昨日とはまた違う住人が、門にビールが届いているという写真を送ってきて、なんと部屋まで運んでくれたのです。昨日のやりとりの一部はグループチャットを使っていたので、ビールが届かなかったことは棟の全員が知っていたことになりますが、上海のひとたちの優しさを本当に感じた瞬間でした。

 

ロックダウン経験から学んだ3つのこと

この経験から、私は3つのことを学んだ気がします。

 

ひとつは、ロックダウンという究極の状況の中、人はやはり助け合って生きていく存在であること。

ロックダウンによってこれまで疎遠となっていた隣近所との付き合いが盛んになった話はよく聞きますし、私のところでも、その後も、棟内での食料のおすそわけや、物々交換は日々続いています。

 

ふたつ目は、コミュニケーションのツールとしてグループチャットの存在感は絶大であるということ。プラットホーム=すべての人が同じ土台にのっている、ということの本当の意義を痛感させられました。

 

そして、三つ目ですが、もしかしたら私が外国人ということで助けてくれたのかもしれませんが、圧倒的な親切心がこの国の人々の大きな魅力であること。平常時にはもしかしたらお節介、と感じる過剰なレベルなのかもしれませんが、困っている人を助ける、というのは誰でもできるものではありませんし、そこに個人最適や自己責任(だから私は関係ない)といった思考回路はないのだと思います。多くの国でチャイナタウンがあり、根を張って発展しているのはそんな背景があるのかもしれません。

 

中国の本当の強さ

ウイルス感染対策として、感染者を一人残らず治癒させ、かつ将来にわたってウイルスそのものを殲滅させることなど、果たして可能なのか、そんな疑問だらけのロックダウンですが、多くの市民は自由を奪われているにもかかわらず冷静に、たくましく、そして、周りの人々と連携しながらこの試練に挑んでいるのも国力のひとつでしょう。

また、中央の方針や指導に基づいて、2500万人の都市を封鎖し、市民の外出を禁止するというこの前代未聞の感染対策を、現場まで浸透させ統治しているというのも今後、ビジネスをしていくときに決して忘れてはならないこの国の事実だと思います。

民主主義の自由に思いを馳せながらも、今回の上海ショックによって何が生まれ、何が失われるのか最後まで見届けたいと思っています。

 

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