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会社を変える~トラディショナル組織を自律型組織にするヒント
世の中の変化が早く、スピード対応が必要とされる今日、企業や企業グループにおいて「自律型組織」を求められることが多くなりました。その点はみなさまも異論はないと思いますが、変化やスピードに対応することが苦手な、自律型組織とは真逆の組織(=トラディショナル組織)が存在する理由をあらためて整理したうえで、企業や企業グループを自律型組織に変えていった取り組み事例をご紹介したいと思います。
(1)トラディショナル組織が存在するワケ
トラディショナル組織が存在するのは、「変更する必要を感じていない」ということに尽きると感じます。ではなぜ「変化する要因を感じない」のでしょうか?
①過去の成功体験と現在の恵まれた環境
過去の成功体験の恩恵が強ければ強いほど、組織としてはその成功体験が生まれた体制を守ろうという意識が強くはたらき、変えられなくなるものです。
さらにその成功体験によって、現在でも「付加価値が高く」「受注に困らず」「安定的な収益基盤ができている」という恵まれた環境にいると、足元の業績もあいまって、プロセス、部署、組織を変えてはならないという力が働きがちです。
②意識の硬直化
成功体験をもとに、長期間にわたって同じ体制・方法・やり方で運営している場合、組織にいる人々がその方法に慣れ親しんでしまい、いつの間にか変化に対する抵抗勢力になってしまうというケースも多くみられます。
このように、技術やプロセスが洗練されるほど、それを「維持」しようとする意識が強くなり、プロセス、部署、組織が変化に弱くなる傾向が強くなります。
いかがでしょうか。あてはまっていたり、片鱗を感じたりすることはないでしょうか?
(2)トラディショナル組織を自律型組織に変えていった事例
トラディショナル組織が存在する理由を別の表現で言い換えると、「おおもとが成功体験から成り立っていて、それが続くと信じていること」「恵まれた環境を疑わず徹底して守ろうとすること」にありますが、これを自律型組織に変えていった具体例をご紹介します。
①1年に3つは「何かを変える」ことを、社員みんなの約束事にしたケース
とある食料品製造販売、店舗提供をしている会社では、「主力商品であっても、原材料や製造工程など、必ず何か3つを変えよう」という行動方針を定め、徹底して浸透させ、全員の合言葉にしています。
主力商品といえば成功体験の塊のようなもの、それすらも守りながら「3つは変えよう」という姿勢は素晴らしいと思います。
②プロジェクトを立ち上げ、そのプロジェクトの決めたことは守るというケース
あるサービス業では、若手社員に「職場環境プロジェクト」を立ち上げ、役員会で最終決定された暁には全員が守ることを約束させたうえで、「なぜ」「どうして」を徹底的に洗い出し、不可能と言われた「フリーアドレス」「ペーパーレス」「情報のオンタイム共有化」を軸に必要な導入を行い、実現させました。
慣習になじみが薄い若手メンバーの力を借りた事例です。ちなみに「フリーアドレス」「ペーパーレス」「情報のオンタイム共有化」はそれが「当たり前化」し、継続しています。
③「外的要因を分析し健全な危機感を伝えたケース」
ある機械製造業では、「受注が5%減少、昇給3%、原材料や部品費が3%ずつ増加した場合を想定し、10年先の決算書がどうなるか」を作成し、社員全員の年度行動計画発表会で伝えました。昇給は決意表明ですが、他は外的要因で十分ありうるという説明を徹底して伝えられました。
この結果、各部署、組織の目の色が変わりました。今は「健全な危機感」が合言葉になり「何で貢献できるか」を各人が考えるように変わったそうです。
いかがでしょうか。「変化しない」が最大の敵であり、それをいかに突破させるかを事例とともにお伝えしてきました。ぜひみなさまのお役に立てば幸いです。
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