8tips右肩上がりの経営
自律考動組織の留意点
ここ数年、経営者や企業幹部の方から「社員の人材育成」についてご相談いただくことが増えたような気がします。そういうご相談をいただいたときは、「どのような社員になれば理想ですか?」と突っ込んだご質問をさせていただくのですが、多くの場合、「自分で考え、行動できるようになってほしい」という答えにいきつきます。最近よくきくワードですが、今回はこの「自律考動社員」について、押さえておきたい留意点を考察してみました。
背景の整理
少し前までは、たとえば事業計画を立てる際には、過去を分析し、将来を予測する、というやり方が一般的でした(いわゆるフォアキャスティングです)。ところが、持続可能性(サステナビリティ)が問われる世界の中では、これまでの常識は通用せず、むしろ将来のありたい姿から現状とのギャップを洗い出すバックキャスティング思考がいまや常識になりつつあります。
さらに追い討ちをかけるように、未曽有の伝染病、さらにさらに予測不能な地政学的な変化など、過去の延長線上にはない「強烈な現実」を目の当たりにすることで、あらためて、将来への見通しが立たない経営環境を乗り越えるためには人材育成が欠かせない、しかも、これまでどおり、上司の指示通り動けるだけではもはや足りない、と感じている企業が増えているのかもしれません。
自律考動社員をつくるための留意点
ひとくちに「自律考動社員」といっても、なかなかイメージができないかもしれません。たとえば、朝礼や年始あいさつなどで「これからは自律考動社員になってほしい!」と唐突に訴えたとしても響くことはないでしょう。
留意点① 自律とは規律の中でこそ!
自律という言葉のイメージからか、なんでも自由に好きなように決めていく、といった印象を持つ方も少なくはないかもしれません。ただ、組織のメンバー全員がそんなふうに振る舞うとどうなるかはおわかりいただけるかと思います。あたりまえですが、きちんとした規律(社会や組織において)の中でこそ活きるのが自律、というものです。
留意点② まず会社や組織のパーパスやビジョンを!
自律のための規律、といってもすべての事項を言語化するなど不可能です。そこで重要なのが、いわゆるパーパス(事業や組織の存在意義)やビジョン(目指すべき方向性)といった思考や行動の礎となるべき価値観です。自律考動社員といっても、常に完璧な判断ができるわけではありませんから、迷ったときの判断基準、立ち返るポイントといった意味で大事なメルクマールとなることでしょう。
留意点③ めざすは自律考動組織!
自律考動社員が増え、組織が活性化することはとてもよいことですが、注意しなければならないポイントもあります。逆説的に聞こえるかもしれませんが、自律社員が増えると外向きの遠心力が強くはたらく一方で、属人的な勢いがありすぎると組織としてはバランスが悪くなってしまう、ということもあります。
そうならないためには、経営者・幹部こそがまず自律考動することが重要です。組織全体をみながら重心の位置を変えてバランスを整える、といった大切な役割を果たすことで、全体として自律考動組織が実現するのではないでしょうか。
みなさまも十分にご理解いただいていると思いますが、自律考動社員が活躍する組織を目指すためには、それぞれが社会や組織の中で果たすべき役割をみつけられるように環境を整備しておくことが重要です。他にも、ビジネスモデルに合わせた働き方、人事制度の最適化、人財採用のブラッシュアップなど、仕組みとして整えておくべき項目はたくさんあるでしょうし、また、その運用、コマメな見直しといった一見地味な取り組みがより重要性を増すことでしょう。みらいコンサルティンググループでは、それぞれの企業が成功を実現するための伴走支援をおこなっています。お気軽にご相談ください。
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