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2024.03.27
最大効率の経営

組織変革は「Why」から考える

組織変革は「Why」から考える…

経営者から改善計画や変革プロジェクトに関する悩みごととして多く耳にするのは「組織の行動・実行」に関する課題感です。「幹部や従業員に自分ですべきことを考えて行動を起こしてほしい」「実行してほしいことがメンバーに伝わらない」という課題は多くの組織で共通する悩みではないでしょうか。

では、この根本的な問題を解決するにはどうしたらいいのでしょうか。そのもっとも重要なカギは改善・変革プロジェクトの「共通ゴール」を明確にし、それをメンバー全員が共有・共感することにあるのではないか、と私は考えています。

 

「Why」から始める重要性

“WHYから始めよ”のタイトルで有名なサイモン・シネックの「ゴールデンサークル」理論をご存じの方は多いと思います。ライト兄弟、キング牧師、スティーブ・ジョブズなど、歴史上の大きな変革を遂げたリーダーや組織は、常に「Why(何のため、目的や理念)」から物事を考え、これを明確にすることで、人々を動かし、行動へと導いてきました。

Apple社の例は、この理論がいかに強力であるかを示す絶好の例です。

スティーブ・ジョブズは自社のコンピュータをこのように紹介しました。

・現状に挑戦し、他者と違う考えをする。それが私たちの信条です。(Why)

・製品を美しくデザインし、操作法をシンプルにし、取り扱いを簡単にすることで、私たちは現状に挑戦します。(How)

・その結果、素晴らしいコンピュータが誕生しました。1台いかがですか?(What)

「現状に挑戦する」「他者と違う考え」という信条から始め、その方法(How)と結果(What)を語りました。これにより、単に製品を売るのではなく、理念に共感する顧客を獲得することができました。

 

経営プロジェクトにおける「Why」の重要性

テーマは何であれ、経営プロジェクトにおいても、「Why」から始めることは極めて重要です。現代の経営環境では、「生成AI活用」「DX」「データドリブン経営」など、多くの「What」と「How」が存在しますが、これらを追求する前に、まず「何のためにこれをおこなうのか」「これをおこなうことで私たちはどんな良い未来をつくるのか」を明確にすることから始めることです。将来、プロジェクトが直面する障害を乗り越えるための推進力は、この「Why」、つまり共有・共感されたゴール(目的やビジョン、目標)から生まれるからです。

 

共有された「Why」づくりのプロセス

組織全員が共有する「Why」を構築するには、腹を割って個人個人の意見や考えを本気で出し合う、そんな話し合いの場が必要です。まず組織の問題点を全員でたな卸しし、緊急度や重要度の重み付けをする。その上で、「重要な問題を解決することで私たちの会社にどんな良いことが起こるか?」という問いに対して、全員が意見を出し合い、とことん議論を深めることが重要です。こうしたプロセスを通じて、困難に直面しても達成したいと思えるような、強い所有感を持ったゴールを設定することができます。

 

効果的な「Why(=ゴール)」

組織で何かを成し遂げるためのゴールには「わかりやすさ」「野心的・チャレンジング」といった要素が必要です。

ご参考までに、こうしたゴールを設定するために有効な「SMART」ゴールのフレームワークをご紹介します。これは、ゴールが「Specific=具体的」で「Measurable=測定可能」であり、「Achievable=実現の可能性を信じられる」もので、「Related=ビジョンや理念といった上位目標と関連性があり」、「Time-bound=時間の制約がある」ことを意味します。このフレームワークを用いることで、ゴールは明確かつ達成可能であり、全員が理解しやすく、共感しやすいものになります。

 

さいごに

繰り返しとなりますが、組織の行動・実行力を高めるためには、「Why」から始めることが重要で、共有・共感されたゴールは、メンバーを一つに結束させ、困難に直面しても前に進む推進力となります。

私たちはお客さまの組織で共感・共有される「Why」づくりの会議・場づくり、効果的な「How」「What」を決定するための「課題整理」や「分析」、「アイデア共創」を通じて、皆さまの「Why」の実現をサポートします。

組織の変革を進める際には是非ご相談ください。

 

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