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  1. ワーケーションがもたらす地域への効果~幌加内町の取り組みから学ぶ

Regional Transformation地域創生

2023.03.22

ワーケーションがもたらす地域への効果~幌加内町の取り組みから学ぶ

北海道の上川管内西部、旭川市から車で北西に1時間ほどの距離にある町、幌加内町(ほろかないちょう)を訪問し、細川 雅弘町長にお話を伺いました。

 

幌加内町の魅力~3つの日本一~

幌加内町には、日本一が3つあります。

1つ目の日本一は、「そば畑の面積」。米の減反政策以降、代替作物として栽培され、自然条件が栽培に適していたこともあり、1980年からそばの生産量・作付面積が日本一となりました。町としてこれからも加工品づくりに力を入れ、さらに雇用を創出したい、とのことでした。

2つ目は、日本最大の人造湖「朱鞠内湖(しゅまりないこ)」。朱鞠内湖は、発電のために作られた雨竜第一ダムによってせき止められたダム湖です。面積は、23.7㎞2(東京ドーム約507個分の広さ)で、人造湖としては日本一の広さを誇ります。道立自然公園にも指定され、湖畔のキャンプ場もとても人気です。また、朱鞠内湖では、絶滅危惧種のイトウ(サケ科)が生息しています。イトウの保護活動やふ化放流事業をおこなっているそうで、漁業権まで取得したうえで観光資源として活用していらっしゃいます。

3つ目は、「日本最寒記録-41.2℃」です。1978年2月に-41.2℃を記録。私たちが訪問した日も、最低気温が-28.1℃と札幌や東京では体験できないレベルの寒さでした。ただ、降雪量が多く雪質もよいためウィンタースポーツを楽しむ外国人も多く訪れるそうです。

(左 細川町長  右 辻口 HPR2代表取締役)

 

都内企業とのワーケーションツアーの取り組みについて

今回幌加内町を訪問したのは、先日、東京の企業が同町でワーケーションを実施したという新聞報道を見たことがきっかけで、受け入れた自治体としての体験や感想などをお伺いしました。

 

ワーケーションを実施したのは、ある都内企業の代表が自然豊かな幌加内町に魅了され、頻繁に訪れていたことがきっかけだそうで、11月~1月の3回に分け実施されました。期間中は、雪かき体験や幌加内高校生、町の名人指導によるそば打ち体験、町職員との意見交換会などもおこなわれたそうです。
参加者には、台湾・香港・中国など外国籍の方もいて、「自分たちが考えもしない面白い発想もあり、いい刺激になった」とお話されていました。外部交流は、若手職員にとってもよい経験・刺激となり、育成機会にもなった、という言葉が印象的でした。

 

町内交流・地域課題について

幌加内町の人口は約1,300人。町民同士の交流についてもお伺いしました。

細川町長が仰るには、今は昔と比べてコミュニケーションの取り方も変わってきており、町民から「子供からお年寄りまで集まることができる新たな交流スペースがほしい」との提言もあったそうです。また、幌加内町では積極的に移住者の受け入れをおこなっており、「お試し住宅」などの支援制度もあります。移住者のコミュニティづくりを支援するためにも「地域住民との交流を促す場」が必要だと感じている、とのことでした。

 

インタビューを終えて

地域創生を実現するためには、若い人の力が必要です。地域の未来を担う人材をどのように育てていくのか、が各地域での大きな課題だと思いますが、外部交流は、他業種連携や新たなネットワーク、サービスづくりなどの成長機会がたくさんあり、有効な手段だと思いました。そして、地方でも都会と同じく家族構成が変わってきているためか、コミュニケーションスペースの必要性を感じました。

地域に住む人、外から訪れる人、さまざまな人が集いコミュニケーションをとることができ、地域創生について真剣に考えることができる新たな交流の場の創出も有効な施策になるのではないかと考えさせられました。

 

当社でもワーケーションプログラムを実施していますが、つい「行く側」の目線でものごとを考えがちです。今回、細川町長にお話を聞く機会をいただき、「受け入れ側」の視点での価値を考えることができました。ワーケーションなどの外部交流を通じて、自身だけではなくお客さまや地方自治体の刺激になるような面白い存在でいたい、そして一緒に地域課題に向き合い地域創生に貢献できる存在でいたいと強く思いました。

(毎日手打ちで作る幌加内そば)

 

最後に、道の駅「森と湖の里ほろかない」で美味しいお蕎麦をいただきました。地元の幌加内高校の卒業生が職人として活躍されているそうです。そうお話される町長の姿に、あたたかいお人柄を感じました。今度は、そばの花が「白い絨毯」のように広がる夏にもぜひ伺いたいと思います。皆さまもぜひ、四季折々の美しい景色が楽しめる幌加内町を訪れてみてはいかがでしょうか。

 

インタビューにご協力いただいた細川町長、幌加内町役場の皆さまに厚く感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

北海道地域創生プラットフォーム株式会社

鎌田 智子

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