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  1. 【北海道イエロースターズ】スポーツビジネスから学ぶ経営の本質とは

Regional Transformation地域創生

2025.02.06

【北海道イエロースターズ】スポーツビジネスから学ぶ経営の本質とは

北海道イエロースターズ(イエスタ)は、2016年に設立された北海道札幌市を本拠地とする男子バレーボールのクラブチームです。昨シーズンはV2リーグで初優勝し、今シーズンは新Vリーグでの初代王者を目指しています。一方経営面では、2024年9月24日に札幌市でM&Aによる事業承継と経営支援をおこなう武ダGEAD社(タケダギード)から資本参加をうけ、新たなステージに向かおうとしています。その株式会社北海道イエロースターズの代表取締役澤野佑介氏に、スポーツビジネスと事業承継というテーマでお話を伺うことができました。

 

まずは、ビジョンから!

澤野社長はもともと武ダGEADグループで経営をされていたのですが、イエスタに資を決めたのは、地域社会の発展と子どもたちの健全な育成を目指すという明確なビジョンがあったから、と伺いました。武ダGEADでは多な事業を経営されていますが、そのの保育事業とスポーツをつなげて、子どもたちにチームワークやコミュニケーションの重要性を学ばせたいという澤野社長の想いを伺うことができました。
つい、費用対効果という経済的観点に目がいきがちですが、金銭以外のシナジー効果がビジョンの本質なのだと思います。

経営判断の難し

今回の経営判断で困難だったのは、迅速な判断が求められたこと、とのことです。シーズンの開幕が迫っていて十分な検討期を得られない、スポーツビジネスではあり得ることですが、資本参加後の迅速な対応と、とくに武ダGEADのリソースを活用した支援により、組織構造の改善を語る澤野社長は、確かな手ごたえを感じている印象でした。

 

事業を繋ぐ経営者の心構え

スポーツビジネスに限らず、これまでもさまざまな業界の企業とM&A、経営統合をおこない、その統合後の事業推進に携わってこられた澤野社長によると、経営者にとくに必要な心構えは次の2点とのことでした。

 

ポイント① 相手の人生を背負う覚悟と何のために経営をおこなうのか

 

今回イエスタの話はとくにスポーツビジネスということで、選手がスポーツを続けられるかどうかの瀬戸際だったこともあり、単に会社の経営を請け負う、という感覚だけでなく、選手、スタッフ、チームを愛するファンの皆さまの期待と責任を受け継ぐ覚悟が問われたように感じたそうです。

バレーボールの競技性として「つなぐ力」という言葉がありますが、それは現在と未来をつなぐ力、将来社会で活躍する子どもたちに夢と希望のバトンを渡す象徴であると定義されていらっしゃいます。地域社会とスポーツ・子どもたちをつなぐ役割を担い、社会全体で子どもたちを育む仕組みづくりにチャレンジしていく、そう覚悟を決めたとのことでした。

 

ポイント② ビジネスとして成立し得る「採算意識を全従業員に浸透させる」こと

 

スポーツチームである以上、地域の活性化やファンの交流、そして何よりチームとして勝利を目指すことももちろん大事です。ただ、それ以上に重要なことは、スポーツビジネスであったとしてもビジネスを成立させるためには収支のバランスが取れていて、収益をしっかり上げられる体質になる必要になること、そして、このことを経営者だけでなくチームに関わる全員が認識できてこそ、さらに素晴らしいチームになるための各施策を打っていける、と澤野社長は考えていらっしゃいます。

北海道イエロースターズの強みと今後の展望

北海道イエロースターズの強みは、Vリーグ内での高い競争力にあります。その強さの要因は、選手たちの高いコミュニケーション能力と信頼関係にあると澤野社長は考えます。バレーボールはコートを広く使えるチームが得点を得られる確率が上がるそうで、コートを広く使うためには日ごろから選手のコミュニケーションがとても大事になる、とのことです。その競争力を活かしてトップリーグであるSVリーグへの昇格を目指します。

 

 

経営の覚悟、組織活力の大切さ、スポーツチームと会社経営には多くの共通項があるのだと思います。みらいコンサルティンググループではM&Aや事業承継、経営改善や組織づくりの支援をおこなっています。数多くのご相談をいただき、ご支援をさせていただいていますが、このような形で新たに学ばせていただきました。最後になりますが、取材に快くご協力いただいた澤野社長、貴重な機会をありがとうございました。

 

北海道イエロースターズ https://hy-stars.jp/

 

<執筆者>

北海道地域創生プラットフォーム株式会社(HPR2)

本間 正道

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