8tips右肩上がりの経営
M&A後の「統合プロセス」、うまくいってますか?
最近、以下のようなご相談を、数件立て続けにいただきました。
●同業および近い業種をM&Aし、事業拡大を図ってきた。
●取引先の統合など、事業面で連携しやすいものについておこなってきたが、業務プロセスや人事制度の統合、人材交流などは反発されることが予想されるため、後回しにしてきた。
●グループ全体の業績管理は、属人的におこなってきた。
●さらに事業拡大を図るため、M&Aは引き続きおこなっていきたいが、このままの体制ややり方では、いずれ限界がくるため、今のうちに何をすべきかを教えてほしい。
実はこれらの課題は、「親会社に合併させ、すべてを統合する」ことで解決します。
もちろん、乱暴な話をしたいわけではなく、あくまでも課題解決に対する有効な手法としてご紹介しており、当然のことながら、M&Aという大きな環境変化に対する不安を抑えながら進めることが大事なポイントになります。たとえば、M&A時や直後に合併をすると、心理的な反発もあるでしょうから、2~3年は人材交流などを通じて関係性を構築し、合併した方がメリットがあると十分に思ってもらう、といった丁寧な対応なども重要です。ただ、合併すれば、業務プロセスや人事制度も親会社のやり方に合わせざるをえなくなりますし、重複する部門や業務は統合することで、人材の余裕が生まれ、必要な業務に人を割り振れるようになるでしょう。
反発されやすいものについては、細心の注意を払って丁寧に対応していきたい、できれば今の体制のままで、多くの効果を得たいというご意見も多くありますので、そのような場合には、「統合方針」を作成した上で、統合を実行していくことをおすすめします。
その際には、まず、統合効果の高いものから優先して統合するタイムスケジュールを作成します。ただし、M&A前では収集できる情報に限界があるため、M&A直後より詳細な情報を収集し、内容を見直した上で、実行していく、ということになります。ちなみに、統合を検討する項目としては、以下が考えられますのでご参照ください。
1.経営陣の体制
2.事業
・取引先(得意先、仕入先、金融機関・・・)の見直し
・製品・サービスの見直し
3.業務
・コンピュータシステム含めた業務プロセスの見直し
・業績管理・資金管理の統合
4.組織・人事
・組織の見直し(特に管理部門の統合)
・人事制度の見直し
・賃金体系の見直し
5.意識
・人材交流を通じた一体感の醸成
もし、「M&A」後の統合プロセスがうまくいっていないと感じている方がいらっしゃいましたら、いま一度統合プロセスを見直し、実行されることをお勧めします。
みらいコンサルティンググループでは、上述したようなM&A後の統合サポート(PMI=Post Merger Integration)はもちろんのこと、M&Aに関する業務(アドバイザリー、デューディリジェンス、バリュエーションなど)について多くの企業さまのご支援させていただいておりますので、お気軽にご相談いただければと思います。
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