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2023.10.12
引き継げる経営

変わりゆく事業承継の本質

変わりゆく事業承継の本質…

中小企業が取り組むべき経営課題として大事なものの一つに「事業承継」があります。

「事業承継」はその字の通り、「全ての企業、とりわけ中小企業をいかに承継していくか」を扱う内容ですが、その内容は二点で今まさに大きく変わっています。

まず一つは、変化の速い、不確実な時代になったからこその本質の変化です。

この言葉がクローズアップされてきた10年位前であれば、「既存事業をいかに承継していくか」が経営上での課題でもあったことから、「事業承継」という言葉が的を得た言葉だったといえるでしょう。
しかし日々お客さまによりそい、長らく一緒にこの課題の解決に向け取り組んでいる私たちからすると、「既存事業を承継する」という限定的な考え方では、承継は叶わないと確信しています。
それはなぜかというと、今日の変化が早く不確実な時代においては、既存事業が未来永劫続くという保証がないからです。だからこそ、従前の「家業(本業)」の枠を越えて、従業員やその家族の安定した生活を守りながら、「地域社会に貢献する企業」の役割を次世代に継承することが必要で、そうした企業が持続的に成長し、地域の発展に寄与することこそ、今日の真の事業承継の本質だと信じています。

 

もう一つは、個人財産の移転についての課題解消の整備がなされたからです。

「事業承継」を考えるうえで、中小企業の経営陣が経営権をしっかりと持つことが必要で、その経営権を代表するものは「自社の株式」です。一方で、株式は株主個人の財産でもあることから、「個人の財産をいかに円滑に後継者という個人にバトンタッチするか」という課題があり、個人から個人に財産を移す際に発生する多額の税負担がネックになっていました。
このため、「事業承継=個人の税金(相続税・贈与税)」という概念が必要以上に論じられ、定着してきた印象がありますが、事業承継という経営課題解消に向けた事業承継税制をはじめとする制度も年を追うごとに整備され活用されていることもあり、「事業承継=個人の税金(相続税・贈与税)のみの対策」という認識は、もはや過去のものになっていると痛感しています。

 

時代や環境の変化、変遷により、事業承継の本質も大きく変わっています。
「既存事業の承継」「税金面のみの課題解消」という内容では、「全ての企業、とりわけ中小企業をいかに承継していくか」という課題は解消できないのです。

守るべき家業の本質(ビジョン)とは何か。
そのうえでいかにそのビジョンにあった経営をするか。
いかに従業員やその家族の安定した生活を守るか。
そのためにいかに変革を成し遂げていくか。
そしていかに「自社を地域社会に貢献する企業」にして、その役割を次世代に継承するか。

 

経営における一丁目一番地の課題を扱うもの、まさにそれが「今日の事業承継の本質」です。これに唯一絶対の解や型はありません。

みらいコンサルティンググループではお客さま企業との対話を通じ、この課題に正面から取り組んでおります。まさに今承継タイミング、変革の必要性を感じられている方も多いと思います。どうかお気軽にお声がけいただけますと幸いです。

 

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