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8tips社員が幸せな経営

2023.02.16
社員が幸せな経営

相手の真意を引き出し、信頼を得る3つの「共かん力」

相手の真意を引き出し、信頼を得る3つの「共かん力」…

お客さまの本当に望んでいること=真意を引き出したいのに、ヒアリングが上手くいかない。もっと深い信頼関係を結びたいけれど、なかなか共感が生まれない。お客さまとの関係でそんなことを感じていませんか?

 

取材で培った3つの「共かん力」

経済番組のディレクターとして毎日企業の経営者にお会いして取材をしていた時代、その軸となったのはインタビューでした。その時間は大抵1時間程度という短いものですが、その短い時間の中で、普段はなかなか話してくださらないような本音や、ご本人も意識していなかったけれどふと引き出されたエピソードなど、心を割って話してくださったことが番組構成の基軸となっていました。でも、そうした真に迫るお話を伺えるようになるまでには、ありきたりの内容になってしまったり、共感が生まれず上滑りのインタビューになってしまったり、という失敗も多くありました。その失敗の中から培ってきた「真意を引き出す」ためのポイントを紐解くと、3つの「共かん力」という言葉が浮かびます。

 

<3つの「共かん力」>

・共に「かんじる(感じる)」力

・共に「かんどうする(感動する)」力

・共に「かんがえる(考える)」力

 

 

共に「感じる」=相手の真意に集中する

言うまでもありませんが、ヒアリングの基本は「相手の真意を理解する」ことです。聞きたい項目を事前に用意して、相手の返答には特に反応せず順に聞きたいことを聞いていくだけでは深い理解や共感は生まれません。

大切なのは「この人は自分の言いたいことをわかってくれる」と相手に感じていただき安心して話していただくことです。

ちなみに、そのために必要なスキルの一つが「要約力」です。質問に対して相手が答えてくれたことを理解し、その要点を「それはこういうことなんですね」と的確に要約して簡潔に反復すると、「そうなんですよ。それでね…」と、より深い話をしていただけるものです。「次、何を聞こう?」ではなく「この方は本当は何を言いたいのだろう」と、相手の真意に集中する方が、ヒアリングの密度は濃くなり、深い理解と共感に結びついていきます。

もうひとつ、表情も大切です。相手の話の内容に合わせて目線や頷きで理解を示していきますが、この時気をつけたいのは「自分以外の同席者」の表情や雰囲気です。お客さまとよい雰囲気で話が盛り上がっていて、ふと隣を見たら無表情でつまらなそうな部下が座っていたら、どうでしょうか?お客さまには、部下の表情ももちろん見えていますので、深い共感を生み出す大切な機会が失われてしまうかもしれません。同席する全ての人が、「相手の真意を理解したい」という真摯な思いを全身で表すことが重要です。

 

共に「感動する」=お渡しできる価値は出し惜しみしない

相手の話を理解し、真意を受け取るだけでは実際のビジネスシーンでは足りないかもしれません。「この人に共感してもらえて嬉しい」と相手に感じていただき、信頼されるパートナーとなるために、ヒアリングを「共に感動する」機会と捉えてはいかがでしょうか?お客さまのヒアリングの目的には、ヒアリング内容を踏まえた新規提案の機会が後日控えているかもしれません。よくありがちですが、「わかりました。それでは持ち帰って改めて検討します」と帰ってしまっては、ヒアリングで共感しあった時間の感動は薄れてしまいます。その場でお渡しできる価値は、出し惜しみせずにお渡しする。例えば「それであればこんな事例がありましたよ」「それであればこんな方を紹介できますが」など、相手にとって有益だと思うことはどんどん提供するのです。ここで「もっと聞いてみたい」「この人に話してよかった」と思ってもらえれば、後日の提案はより共感をいただけるものとなるのではないでしょうか。

 

共に「考える」=自分ごととして考え言葉にする

ヒアリングの際の言葉の選び方もとても大切です。たとえば、何気無く使う「そうですか」という言葉を「そうなんですね」と変えてみてください。「そうですか」よりも「そうなんですね」の方が相手に寄り添う気持ちが感じられませんか?「やってみたらいかがですか?」ではなく「私が〇〇さんだったら、こうするかもしれませんね」。「導入してください」ではなく「一緒にやってみませんか?」など、相手の立場や目線に立って「自分ごと」として考え、言葉にしていくと、お客さまからの信頼はより深まっていくのではないでしょうか。

 

もちろん、3つの「共かん力」は形だけではダメ、ということも身を持って経験しています。根底に「理解したい」「役に立ちたい」という謙虚で熱い思いがあって初めて、深い共感と信頼が生まれていくというのは、第一線で活躍するみなさまもよくご承知のことと思います。

お客さま相手だけではなく、社内におけるコミュニケーションでも有効な3つの「共かん力」、ぜひ実践してみていただけると幸いです。

 

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