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8tips社員が幸せな経営

2022.03.16
社員が幸せな経営

学生のリアルな声から学ぶ企業の採用力とは

学生のリアルな声から学ぶ企業の採用力とは…

先日、縁あって北海道のとある大学で学部生向けのキャリア教育授業をさせていただきました。若い学生さんへ少しでもいい刺激を提供できれば地域創生への貢献につながるのではないか、と思いながら、200名超の学生を対象に私自身のこれまでのキャリアステップや経営コンサルタントとして道内企業にどのように向き合っていきたいのか、その想いをお話しさせていただきました。大変有難いことに、学生の皆さんは熱心に話を聞いてくれて、多くの質問をいただき、盛況に終えることができました。
今回、講義の最後に学生へ投げかけた質問の回答から、人材獲得競争時代における経営戦略を考察してみました。特に地方で活躍する経営者の方々にはぜひ見ていただきたい内容です。

 

印象に残った学生さんの意見

まずは、学生さんへの質問をご紹介します。

 

「地方で輝きながら働く若者を増やすには何が必要だと思いますか?」

 

この問いはみらいコンサルティンググループにおける地域創生事業のミッションの1つでもあります。これに対して学生の皆さんから多種多様な意見が寄せられました。
多かった回答は、やはり、給与水準や福利厚生など待遇の向上です。他には、地方都市としての利便性や魅力の向上、といった回答も目立ちました。もちろん、これらは大切な観点だと思いますが、やや「表面的なモノの見方」であるようにも感じられます。待遇に関しては事業環境に左右される面も大きく、大企業や大規模都市圏の企業との競争には限界がありますし、地方都市の魅力を向上するといった部分では政策面でのアプローチの方が効果的な場面もあります。
ただ、本質的な要素を示唆するご意見もあり、印象に残ったものをいくつかピックアップしてご紹介します。

 

◇Aさん

十分な収入と魅力、唯一無二であること。輝く若者も収入や魅力がなければ、モチベーションを保てないと思います。また、ここで自分自身にしかできない事は働く若者を輝かせると思うから。

 

◇Bさん

現代の若者は安定を求める人が多いように感じます。北海道で奇抜なことを行うよりは、地域に密着して地域住民のニーズにこたえられる持続可能性が感じられ、一生働けると思えることが必要だと思います。

 

◇Cさん

働き甲斐を感じられるような、周囲からの期待や自分が誰の役に立っているかなどがはっきりと分かるような会社。

 

◇Dさん

私は、企業による北海道への愛が一番大切だと思います。なぜなら、今現在の世の中では、わざわざ北海道で働かなければならないという理由などは無く、道外でも、国外でも自由に働きに出ることが出来る時代だと私は思います。だからこそ、そのような時代で、北海道で働いてもらいたいと考えるなら、まずはその企業が、北海道に対しての熱い思いや愛を示さなければいけないと思ったからです。

 

◇Eさん

やはり目標や向かうべきもの・場所がある人達は輝いて仕事をしていると思う。 会社を作る経営者の方たちであれば、自分で作った会社を大きく、日本を代表する会社にしたいという大きな目標があり、そこにたどり着くまでの小さな目標をいくつも立てクリアしていくことでモチベーションを高めゴールに向かっていると思う。 学生の時だったら部活動で全国に行きたい、その舞台で試合に出て活躍したい、という大きな目標を立てそこに向かって必死に働くから輝くと思う。輝きを持っていない人たちは、きまってやりがいを感じてなかったり、どこに向かって仕事をしているのかが分かっていないなど、明確な目標が無いため、なあなあになっているのだと思う。若者を輝かせるためには自分たちの企業はどこに向かい、何を目指しているのか、具体的な目標を示すといいと思います。

 

共通項は「価値共感」~価値観の変容

これらに共通するポイントは「価値共感」だと思います。人材獲得競争時代と言われる昨今において、地方企業が「事業の継続性」を高めていくには、若者が働きたくなる会社づくりが必要です。今の教育現場ではESG・SDGs・脱炭素など様々なキーワードが浸透しつつあり、学生の社会貢献意識は高まる傾向にあります。単純に待遇の良さだけで、そういった学生を引き込むには限界があります。つまり、これからの人材確保において、特に地方企業に求められるのは「価値共感を生むチカラ」だと思うのです。

 

こうした価値観の変化に対応するには、まず「自社の魅力や価値」「地域への想い」などを言語化し、世の中に発信、共有することが必要です。そうして得られた共感はその地域と共鳴し、やがて大きな結果につながる(共振)。「共有→共感→共鳴→共振」、この流れがこれからの地方企業の勝ち筋になるのではないでしょうか。

 

では具体的にどこから始めるのが良いのでしょうか?
一例ではありますが、自社のホームページや会社案内についてどう思うか、若手従業員やお客様にアンケート調査してみてはいかがでしょうか。そこで、自社がどのように見られているのか、見えているのか、媒体として共感を呼ぶ内容になっているのか、客観的な評価を見える化します。仮にそこで課題が見つかれば、自社の価値を言語化するプロジェクトを立ち上げたり、中長期目線での事業計画を策定し「ありたい姿」を明確にするのもいいでしょう。大切なのは、これらの取り組みに将来を担う幹部候補を巻き込むことです。そういった階層が輝くことが、企業の魅力を際立たせ、その結果、企業の継続性につながるのです。

 

みらいコンサルティンググループでは、このような「未来づくり」を伴走型でご支援しています。コンサルティング力(課題解決力)とクリエイティブ力(価値創造力)双方を駆使してご支援しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

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