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2022.11.02
最大効率の経営

ホールディングス化、事前に留意したい3つのポイント!

ホールディングス化、事前に留意したい3つのポイント!…

LINEとZホールディングスの経営統合や、ドラッグストア業界のM&Aによる拡大戦略など「組織再編」という言葉も随分市民権を得たのではと感じる今日この頃、ホールディングス化(持株会社化)をご検討されている方もいらっしゃるかと思います。

ホールディングス化の検討中、または、実施後に、セカンドオピニオンの意味合いなのか、ご相談も多くいただきます。ご相談内容をお聞きしていると、ホールディングス化においてもっとも重要なことは、ずばり「事前検討」にあると考えます。そこで、今回は必ず検討しておくべきポイントを3つご紹介いたします。

 

ポイント

① 目的の明確化

② あらゆる角度からの事前シミュレーション(会計税務・商事法務・人事労務)

③ 組織マネジメントのバージョンアップ

 

ポイント① 目的の明確化

組織再編とは、組織や資本関係を整理・変更し、グループ内外の課題を解決するという目的のためにおこなわれるものであって、組織再編自体が目的化してしまっては意味がありません。

新規事業やM&A戦略を推し進めるためなのか?グループ内部の機能を統合し無駄を排除するためにおこなうのか?まずはグループのありたい姿を明確にすることが大切です。

 

ポイント② 事前シミュレーション

ホールディングス化をしたはいいものの、事前シミュレーションが甘く想定外の税金負担(均等割や不動産流通税など)が増えてしまったり、元々入っていた健康保険組合に加入するための要件をクリアできずに、保険料率が上昇、結果的に在籍している従業員個人の費用負担までが増えてしまったという残念な事例もあります。

中でも忘れてはいけないのは「許認可」の問題です。本当にあった事例をご紹介します。
あるメーカーで販売事業をおこなう親会社のもとに、製造機能と運送機能を分社化する、という組織再編をおこなうことを検討しました。その組織再編を進めるにあたり、普段付き合いのある税理士や司法書士にメンバーとして入ってもらったのですが、会計や税務・法務の「手続きのみを支援してもらう」という形をとっていたため、再編自体が完了した後に、大変な事態が発覚したのです。なんと、新設した運送会社が運送業に関する許認可の移転手続きを実施しておらず、無許可のまま運んでいる状況となり、業務を停止せざるを得なくなったのです。

 

ポイント③ 組織マネジメント

持株会社をつくったあとに、組織管理の方法を改めて見直されるケースもあります。

ただ、カタチが変わったからと言って人間が変わるわけではありません。以下においても充分に検討しておく必要があります。

<組織運営の仕組みの最適化>
たとえば、ホールディングス内部の取引なども発生することもあります。もちろん適切に設定すべきですが、同じグループ内で数字を取り合うような結果になっては本末転倒です。

<目的や意図の組織内への浸透>

組織再編後、しばらくするとその目的や意図が薄れていく、ということはどこの組織でもあり得ることです。成果を最大化するためには、当初の目的や意図を組織内に浸透させていく施策展開をおすすめしています。

 

 

このような経験を通じ、みらいコンサルティングでは「目的」にフォーカスし、経営者と共にありたい姿を考え、実現後の姿や効果を考える「事前検討」を重要視し、時には再編の必要有無の判断も含め、このフェーズに多くの時間と労力を割いています。ご相談ごとがございましたら、お気軽に担当のコンサルタントに一声かけていただけますと幸いです。

 

(参考)

持株会社研究所 コラム 「ホールディングス化の失敗事例」

 

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