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バックオフィスにおけるAI活用の切り口は?

バックオフィスにおけるAI活用の切り口は?

お客さまから「バックオフィス(人事・経理などの管理部門)におけるAI活用が進んでいない」という話をよく聞きます。確かに直接的な事業部門ではAI導入に注力しているものの、バックオフィスは個人に任せている企業が多い印象です。

個人レベルでも生成AIに触れる機会が増えており、少しずつ身近な存在となっていますが、業務において活用する人とそうでない人との差は顕著です。AI活用が進まない理由もこの辺りにあるように感じます。

①生成AIの重要性

2025年2月、政府は初の「中堅企業成長ビジョン」を決定し、従業員2000人以下の企業を「中堅企業」と再定義しました。これは、大規模な設備投資や賃上げを促進し、地域経済を後押しするものです。企業成長の「屈曲点」(事業承継、新分野への進出、海外展開)を乗り越えるためには、「DXの推進」と「生成AI技術の活用」が不可欠とされています。

バックオフィスは業種や企業間である程度共通している要素があり、他社事例も活用しやすい分野です。「小規模から始めやすく、スピーディーに実行でき、成功事例も多い」ため、「DXの第一歩目」として取り組むことをお薦めしています。

②生成AIによる課題解決と成功の鍵

たとえば、バックオフィスによくある課題として、以下のようなものがあります。

  • 高頻度のコンプライアンス対応(法改正に準じたアップデート)
  • 業務プロセスの非効率性(アナログ依存)
  • 業務の属人化・ブラックボックス化

生成AIはこれらの課題解決にも役立つものであり、具体的な活用案として、以下が挙げられます。

  • 文章作成・更新の効率化:契約書、社内規程、マニュアルなどの自動生成や更新
  • データ分析の迅速化:経理・人事・売上データなどの自動集計・分析、異常値やトレンドの可視化、予測
  • 問い合わせ対応の自動化:社内ヘルプデスクでのチャットボット対応、FAQの自動更新、多言語対応

この時、生成AI導入を成功させるためには「技術導入」ではなく「業務のありかたの見直し」を同時に進めることが重要です。また「ヒトをどこで/どう活用するか」「活用する情報やデータを定義し流れを整える」という視点も不可欠です。

③段階的な導入と戦略的推進

生成AIの導入にあたっては、いきなり全社展開するのではなく、以下の「4ステップ」で進めることが重要です。リスクを最小限に抑え、全社目線での効果が期待できます。

  1. 現状分析: 業務プロセスを棚卸し、課題を明確化し、優先順位を設定する
  2. 導入計画策定: 導入目的の明確化し、投資対効果を検討し、AIツールを選定する
  3. トライアル&フィードバック: 小規模導入で効果を検証し、改善を繰り返す
  4. 全社展開: 全社的に活用を広げ、教育と啓発をしながら、部門間連携を強化する

④新しい働き方と価値の創出

こうした改革を進めることで、経営指標データへのリアルタイムのアクセスが可能となり、より戦略的な意思決定をスピーディにおこなう「コックピット経営」の要にもなります。

生成AIにより定型業務を自動化することで、より価値の高い「考える仕事」(例:財務戦略立案、採用戦略、社員エンゲージメント強化)に集中できる環境が実現できます。バックオフィスは、情報共有のタイムラグをなくし、意思決定の粒度・スピード・効果を最善にすることで「戦略部門」へと変貌します。

生成AIを活用することは、単なる業務効率化に留まらず、企業全体の競争力向上や、社員の働きがい向上、離職率低下や優秀人材の確保にも繋がります。全社最適を実現する第一歩として、まずは「バックオフィスの生成AI活用」から注力してみませんか?
どこから始めればいいのか、他社事例が知りたい、などご興味のある方はぜひみらいコンサルティングの担当者までご相談ください。

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