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2022.09.29
右肩上がりの経営

資産形成のポイント ―「72の法則」を活用したゴールベースの資産形成―

資産形成のポイント ―「72の法則」を活用したゴールベースの資産形成―…

日本における資産形成の現状

近ごろ、国が唱える「新しい資本主義」において、「貯蓄から投資へ」や「資産所得倍増計画」のかけ声をもとに、国民の資産形成を推し進めていくことが想定されています。一方で、いまだに現金第一主義が根強く残っているのも現状です。金融商品においても「毎月分配型」の投資信託の人気が根強いことがそれを裏付けています。

この投資信託は、毎月一定額のお金を受け取ることができるというメリットがあります。一方で、発生した利息(分配金)を毎月回収しているという見方もできます。そのため、効率的な資産形成という観点ではメリットが薄いといえます。なぜなら、「毎月分配型」の投資信託では、当初の元本のみがお金を生み出す「単利」での資産形成となっているためです。

 

単利と複利の効果の違い

相対性理論で有名な天才物理学者アルベルト・アインシュタインは「“複利”は人類最大の発明である」という言葉を残しています。複利とは、利息の計算方法のひとつで発生した利息を元本に組み入れて、その合計額に対してまた利息が計算されていくものです。つまり、複利を活用した資産形成では、利息が利息を生み、ゆきだるま式に資産を増やしていくことができます。一方で、単利による資産形成では、当初の元本のみが資産を増やす原資ですので、ゆきだるま式とは言えません。

たとえば、1,000万円の手元資産にて、運用期間30年、年率3%で資産形成をおこなう際の単利と複利の違いを考えてみましょう。

単利の場合、最終的な資産は1,000万円→1,900万円(190%)となります。

複利の場合、最終的な資産は1,000万円→2,427万円(243%)となります。

 

(単利の計算例)

  1年目:1,000万円+(1,000万円×3%)×1年=1,030万円

  2年目:1,000万円+(1,000万円×3%)×2年=1,060万円

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30年目:1,000万円+(1,000万円×3%)×30年=1,900万円 

 

(複利の計算例)

  1年目:1,000万円+1,000万円×3%=1,030万円

  2年目:1,030万円+1,030万円×3%=1,060.9万円

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30年目:1,000万円×(1+3%)^30年=2,427万円

 

単利と複利を比較すると、30年後の資産規模において、およそ1.3倍もの差がうまれます。金額でいうと500万円以上の差です。単年では3%という金利は小さいものですが、長期的に見ればこれだけ大きな差となるのです。

 

「72の法則」について

「72の法則」というものをご存じでしょうか?複利効果に基づいた法則で、資産形成を行う際によく活用されるものです。具体的には、「運用年数×利率=72」となる組み合わせで資産形成を行えば、資産が2倍になるというものです。

例えば、運用期間10年で手元資産を2倍にしたいときの金利設定は、「72÷10年=7.2%」、つまり、年利7.2%での複利運用が必要ということがわかります。また、年利5.0%で資産形成を行うときに資産が2倍になるまでに何年間かかるかというと、「72÷5.0%=14. 4年」、つまり、およそ 14年半の期間が必要ということがわかります。

このように「72の法則」を活用することで、資産形成における金利水準または運用期間を設定する際の目安を検討することができます。

 

効率的な資産形成のすすめ方

これまでお話ししてきたように、効率的な資産形成のためには「複利効果」によるゆきだるま式の資産増加を目指し、利息にも働いてもらうことが大前提となります。冒頭の「毎月分配型」の投資信託のように利息がでるたびに回収していては、複利の効果は得ることができません。

もちろん、資産形成の目的は人それぞれのため、単利での資産形成が適している場合もありますが、もし、長期的なスパンで検討できるのであれば、複利効果の活用を前提とした資産形成を検討してみてはいかがでしょうか。

また、資産形成をはじめるときは、ゴール設定を明確にすることが非常に重要です。なぜなら、「●年後に●●万円の資産を確保したい」という場合、スタート時点にて「期間・金利・手元資金」について基準を設定する必要があるからです。だからこそ、みなさまが資産形成をはじめる際には、「72の法則」を有効活用し運用条件を明確にしたうえで、複利による資産形成をおこなっていきましょう。

もし、資産形成に関するご相談がございましたら、ぜひみらいウェルスにご一報ください。

 

 

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