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8tips世界を駆ける経営

2020.08.05
世界を駆ける経営

中国株式市場の動向(2020年7月)

中国株式市場の動向(2020年7月)…

7月、株価上昇

 中国では7月、株価上昇の動きが顕著でした。中国を代表する株価指数、上海総合指数は7月1日、終値で3,000ポイントを上回りましたが、これは3月6日以来約4カ月ぶりのことでした。その後、上海総合指数は急速に上昇し、7月7日には3,345ポイントに、わずか4営業日で約10.6%を上昇するとともに、上海と深圳の市場の合計取引高は1兆7399億元と、2015年6月16日以来の最高値に至りました。

 

なぜ、株価が上がるのか

 きっかけは、直前発表された6月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)で、先月の50.7から51.2と、市場予想を上回ったことであると考えられます。また、中国証券新聞は6日の論説で、「資本市場改革の過程において、健全な強気相場の準備を整えている」という認識を示しました。個人投資家たちによる「当局が株式市場の更なる上昇を容認」という見方は、株価急騰の一因になった可能性が高いと想定されています。

 

株価指数が継続的に上昇する要因

 中国国外でコロナウイルス感染症が拡大している状態に比べ、中国は感染拡大を効果的に抑えると同時に、経済活動も回復しています。PMIからみても、6月製造業およびサービス業は大幅に回復し、そのうち6月のサービス業は58.4に上昇、10年以来の最高値となっています。また、今後数ヶ月、引き続き回復する勢いを示しています。

 

 また、世界経済が短期的に回復するのは困難、と予想されるなかで、各国が金融緩和政策を実施し、世界の資金流動性が緩やかな局面が1~2年続くと思われ、さらに、今月、上海、深圳株式市場へは外部資金が629.10億元流入したことから、中国株式市場に対して海外投資家が自信を持っているとみられています。

 

 一方、企業価値の観点からみると、中国株は先進国と比べて相対的に割安な水準であり、株式市場において急成長している革新的な企業が数多く存在しています。特にテクノロジーおよびソフトウェア、付加価値の高い製造業、ヘルスケアなどの分野、および、一部の消費関連分野は十分に投資に値すると考えられます。

 

今後の見通し

 中国国家統計局が7月16日に発表した上半期の中国経済データによると、上半期の中国経済は、第2四半期の経済成長率マイナスから一転してプラス成長を達成しました。主要指標が着実に回復し、市場予測が全体的に好況であるとみられています。また、保険会社の資金運用規制緩和や資本市場改革により、株式市場への資金流入が加速することが見込まれ、今後更なる株価上昇の動きを予想することができます。

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