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2021.01.05
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外商投資安全審査弁法について

外商投資安全審査弁法について…

2020年12月19日、中国国家発展改革委員会と中国商務部は「外商投資安全審査弁法」を発表し、その30日後に正式に施行されるとのことです。

当該弁法は合計23条から構成されており、主な内容は以下のとおりです。

なお、「弁法」とは行政上の規則やルールのことで、いわゆる日本における「条例」のようなものです。

1.本弁法で言う「外商投資」は、外国投資者により中国国内で行われた投資活動であり、以下の状況が含まれます。

①外国投資者が単独、または、その他の投資者と共同で中国国内のプロジェクトへの新規投資、または、中国国内で企業を新規設立する場合。
②外国投資者が買収方式で中国国内企業の株式又は資産を買い取る場合。
③外国投資者がその他の方式で中国国内において投資する場合。

2.国家発展改革委員会と商務部が外商投資安全審査の日常業務を担当し、国家発展改革委員会において「業務担当オフィス」を設立します。

3.以下の分野の外国投資は、投資前に業務担当オフィスに「自発的に申告」をおこなう必要があります。

①軍事、軍事関係等国防安全に係る領域、および、軍事施設又は軍事施設周辺地域への投資。
②国家安全に係る重要農産品、重要エネルギーと資源、重大装備製造、重要基礎施設、重要運輸サービス、重要文化製品とサービス、重要情報技術及びインターネット製品とサービス、重要金融サービス、基幹技術及びその他重要領域に投資し、且つ実質的支配権を取得する場合。

4.外商投資安全審査には一般審査と特別審査の2種類があります。具体的な審査の進め方は以下のとおりです。

①申請資料を受領して15営業日以内に、安全審査をおこなうかどうかを決定。
②安全審査をおこなうことを決定する場合、決定日から30営業日以内に一般審査を終了しなければならない。
③一般審査の結果、更に特別審査を要すると判断される場合、特別審査をおこなう。
④特別審査はスタート日から60日以内に終了しなければならない。終了時に下記の結論を出す。
ⅰ.投資を許可する(条件付きの場合あり)。
ⅱ.投資を禁止する。

5.最後に、罰則について下記のように定められています。

①期限通りに申告しない場合、業務担当オフィスが期限を決め申告を要求することができる。
②申告拒否の場合、期限を定め株式または資産を処分、その他必要な措置を取り、投資実施前の状態に戻すことにより国家安全への影響を取り除くよう要求する。

 

本弁法の発表により、日系企業を含む外資企業は中国関連の投資をおこなう際に、本弁法の規定の適用を受ける可能性があることを認識しておく必要があります。中国としては関連手続きを極力簡素化するとしていますが、実務上は一定の手間と時間を要することが予想されます。また、軍事関係だけでなく、国家安全に係る他の分野も対象としていますが、その定義はあいまいですので、関連投資活動をおこなう場合には、業務担当オフィスへ問い合わせされることを推奨します。

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