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2022.01.19
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ベトナムのいまとみらい <第2回> 祝開通!ハノイ都市鉄道

ベトナムのいまとみらい <第2回> 祝開通!ハノイ都市鉄道…

1月も半ば、ホーチミンはテト前の慌ただしい時期となりました。テトというのは中国でいう旧正月のことで、ベトナムのみなさんの年末年始休みというのは1月末位から2月上旬にかけての大型連休(テト)を指します。多くの人にとっては実家に帰ったり、家族と旅行に行ったりと1年で一番大切な時期といえます。昨年はコロナの影響で省をまたぐ移動が制限され、動けなかった人が多かったようですが、今年は規制も緩くなっていることもあり、多くの人が都市部から流れていきそうです。テト前になると、企業や公官庁の方も年末の大詰めという感じで、まさに日本の師走状態。どこもかしこもバタバタしていて、どこかピリピリとしたムードが流れます。テト直前に手続きしたものは書類の山に埋もれて結局何もしてくれなかったという悲しいエピソードは駐在員の間では有名な話で、やらなければならないことはテト直前ではなく、1月中旬位までに終わらせることがお勧めのようです。私はというと、当面は日本には帰れずホーチミンでテトを過ごすことになりますが、頼みのベトナム人の友人も実家に帰ってしまうようですから、1人で何をして過ごすかが、目下最大の悩みとなっています。

 

さて、日本でも一部報道されたかと思いますが、2021年11月ハノイ市都市鉄道2A号線(ハノイ・メトロ)が10年の長い年月の施工期間を経て開通しました。ベトナムには鉄道が無いわけではないのですが、ホーチミンとハノイ(1,700km)を33時間かけて走るディーゼル列車があるだけで、市内だけを走る鉄道はこれまでありませんでした。待望のハノイ・メトロ開通初日には109本が運行され、延べ3万9,520人が乗車したと報道されています。また、最初の15日間は無料で運航し、その後は一部の無料対象者(障害者等)を除き、初乗りは8,000VND(約40円)、全区間だと1万5,000VND(約75円)で、1日券は3万VND(約150円)、1か月定期券は10万~20万VND(約500~1,000円)です。メトロ2A号線の全長は13kmで、停車駅は全部で12駅、始発駅から終点駅までの所要時間は約23分程です。先日ハノイに出張した際、私も初乗車してきましたが、駅がとても綺麗で、ある意味ベトナムらしくなかったのが印象的でした。また、たくさんの乗客をイメージしていましたが、まだ座席に空きがあるほどのまばらな様子だったのが意外でした。

 

  

 

新しい移動インフラの誕生ということもあり、他の乗客を見てみると初めての都市鉄道に少し浮かれているように感じました。かくいう私もベトナムで初めて乗る電車に少し浮かれ気分でしたが、この先このような初体験がこの国ではもっと起こるんだろうと思うと本当にワクワクします。

ちなみにこのハノイ・メトロですが、総投資額は18兆0020億VND(約905億円)とされており、その投資総額の大半は中国の政府開発援助(ODA)から拠出されているとのことです。一方、ホーチミンでもメトロ開通の工事は行われており、コロナ禍で延期を繰り返して2023年以降に完成予定との事ですが、また延期されるだろうと噂されています。

ベトナムでは、移動手段といえばもっぱらバイクか車。ここに地下鉄という選択肢が増えれば、少しは通勤時のひどい渋滞が緩和されるのでしょうか。いまだコロナの勢いは止まらないベトナムですが、中央当局が目指すようなホーチミンやハノイのスマートシティ化を実現する為にも、是非今後の工事は延期せず進めていって欲しいと願ってやみません。

 

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