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2022.10.12
最大効率の経営

制度が先か?組織が先か? 最大最速の効果を得るための人事制度改革

制度が先か?組織が先か? 最大最速の効果を得るための人事制度改革…

「人事制度を変えたい」。それはなぜ?

人事制度改定したい、というご相談が増えています。背景には、人材不足と採用競争の激化、事業成長が伸び悩む中での年功的報酬制度による総額人件費の上昇、あるいは最低賃金の度重なる改定、経営者の高齢化からくる事業承継の増加などが挙げられます。
実際に経営者の方に「なぜ人事制度を作りたいか」と尋ねると、下記のような問答パターンになることがとても多く見受けられます。

なぜ? 1
「能力や実績に応じた公平な評価・処遇を行いたいから」(今は、そうではない)
なぜ? 2
「社員の納得感を得たい」
「社員のモチベーションをアップしたい」
なぜ? 3
「社員(特に若手)の採用、定着、育成のため」
「社員(特にシニア)の能力・実績に応じた報酬格差のため」
なぜ? 4
「社員が変わらない(顔ぶれが/個々の意識が・能力が)」(変わってほしいのに)
なぜ? 5
「事業継続のための組織運営のため」

つまり、根幹には「個人」と「組織」に変革を起こしたい、という目的があることがわかります。
ここでもう一度、あえて逆方向からの問いを投げかけてみます。
「では、社長の理想に近い人事制度を導入すると、今の組織は変わると思いますか」。
「そのためにコンサルタントに相談しているのだ!」と叱られるかと思いきや、多くの経営者からは 「そうなんだよ、今の組織(人材)だと、どんなにいい制度を作っても【運用】ができなさそうなんだよな(そうすると、結局変わらないんだよな)…」という半ばあきらめに近い回答が返ってくるのです。
中には、「実は今の人事制度も別のコンサルタントに依頼して導入したものだが、【運用】がうまくいかないのでアドバイスをくれないか」といったご相談さえあります。
どのような(理想的な構造をもった)人事制度を作っても、【運用】ができなければ、言い換えれば、制度を使いこなせる組織=人材がいなければ、人事制度に求めていた効果は得られません。それどころか、逆に、社員の不満を増長させ、逆効果となる危険性さえある、上記の経営者とのやりとりは、そのような「人事制度の不都合な現実」をまざまざと見せつけられます。

組織が先か、制度が先か

本来、組織を変えるための人事制度が、組織が変わらないために、運用できない、この複雑な状況を打破するためにはどうすればよいでしょうか。
正解は「組織も制度もどちらも変える」ことにあります。
もちろん、人事制度を変えることで、組織に何かしらの変化は起こります。ただし、その変化の大きさや、理想像に近づけるための時間軸は全くもって不明瞭、また、前述のように変化といっても、良い方向にも、悪い方向にも転がる可能性を常にはらんでいます。
変化の有無、速さ、方向性を決定づけるためには、制度改革と同時に組織改革も必要です。そのキーマンはやはり、「評価する人間」=管理職です。実は、人事制度を変えたいというお話があると、「管理職(の意識/行動)を変えたい」という隠れたニーズが大きな割合を占めていることが多く、もし、管理職が職場環境を維持向上させることで事業の継続・成長に寄与しているならば、明文化された人事制度は必要なくなる、というくらいです。

どのように人事制度改革を進めるか

「人事評価基準がわからない」
「自分から(自分が評価した社員に)フィードバックできない」
「そもそも人事評価なんてしたくない」
このような発言をする管理職は、せっかく会社をより良くするための人事制度改革も「やらされ感」、他責で受け止めています。彼らのマインドを変えるためのひとつの手段として、人事制度の改定フローにまきこむことがあげられます。
わが社の目指すビジョン、そのために必要な組織・人材のありかた、管理職に必要なスキルやアクションは。人事制度構築に必要な要素を、人事担当者のミーティングで(ある意味「密室」で)決めるのではなく、現場を任せている管理職とのセッションを通して決定していき、かつ、人事制度を変えていくと同時に、管理職自身、組織が変革を実現していく・・・。そんな「組織開発型 人事制度改革」が求められているように思います。

 

人事制度に正解はありません。ないからこそ、アジャイルに、実行検証をしつつ変更していくことが、実は最大・最速に効果を得るために必要な方法ではないかと思います。人事制度を見直したい、とお考えであれば、ぜひ一度ご相談ください。

 

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