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フリーランスを活かすためには、社内整備から!
昨今、労働人口が減少する中、採用においては完全に「売り手市場」の状態であることはみなさまご承知のとおりです。一方、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)が叫ばれる中、多様な「働き方」が生まれており、結果、企業が労働力を確保する方法も多岐に渡っています。
多様な働き方の一つに、フリーランス(業務委託)がありますが、「専門スキルを活かして自由に働ける」という部分が現代の価値観とマッチしており、本業・副業としてフリーランスを選択する人が増えています。総務省統計局の調査では、2022年における個人のフリーランスの数は250万人に上っております。当社のお客さまにおいても、間接業務の一部をフリーランスへと委託するなど、その専門性をうまく活用されているケースを多く目にします。
一方、フリーランスという立場は、企業と直接契約を結ぶ労働者ではないため、労働法関連の適用を受けず、保護の観点において課題がありました。この課題解消を目的として、2024年11月1日より、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(以下、フリーランス保護新法)が施行されます。
「フリーランス保護新法の留意点」
本法においては、以下の7つの運用が義務化されます。
既にフリーランスを活用している場合には、現行運用において足りない部分を確認し、施行日に向けて整備が必要です。また、これからフリーランスの活用を考えている場合には、この施行内容をベースとして、社内運用を整備していくこととなります。
①書面等による取引条件の明示
業務委託をした場合、書面等により直ちに取引条件を明示すること
②報酬支払期日の設定・ 期日内の支払
発注した物品等を受けとった日から数えて60日以内のできる限り早い日に報酬支払期日を設定し、期日内に報酬を支払うこと
③禁止行為
1ヵ月以上の業務委託をした場合、次の7つの行為をしてはならないこと(受領拒否、報酬の減額、返品、買い叩き、購入・利用強制、不当な経済上の利益の提供要請、不当な給付内容の変更、やり直し)
④募集情報の的確表示
募集情報の掲載において、虚偽の表示や誤解を与える表示はしてはならない、また内容を性格かつ最新のものに保たなければならないこと
⑤育児介護等と業務の両立に対する配慮
6ヵ月以上の業務委託をした場合、育児や介護などと業務を両立できるように、申出に応じて必要な配慮をしなければならないこと
⑥ハラスメント対策に係る体制整備
ハラスメント行為に関して、ハラスメントを行わない旨の方針の明確化、周知・啓発をおこなうこと、相談や苦情に対応するための体制を整備すること、事象が起きた際の迅速対応などの措置を講ずること
⑦中途解除等の事前予告・理由開示
6ヵ月以上の業務委託を中途解除したり更新しない場合には、原則として30日前までに予約しなければならないこと、理由の開示請求があった場合には対応すること
※本法の適用対象は、「従業員を使用する企業が、個人のフリーランスへと業務委託する場合」に限定されています。
「フリーランスの活用に向けて」
フリーランスを活用する利点は、必要な専門スキルをもった人材を、必要な期間だけスポットで確保できることです。たとえば、社内に知見がない領域においては、専門スキルをもったフリーランスへと委託することで、社内育成を待たずしてプロジェクトを前に進めることができます。また、業務の繁閑に応じて、流動的に労働力を確保できる点も大きな魅力です。
本法でフリーランスの就業環境が整備されることにより、今後さらにフリーランスを選択する人は増えていくことが想定されます。また、フリーランスのマッチングサイトやエージェントも増えていますので、企業側としても多種多様な専門スキルを持った人材を探すことが容易に可能となっています。
本法の施行を機に、法律上の運用への見直しを図ると共に、自社が専門スキルや労働力を必要とする領域において、フリーランス活用の選択肢がないかどうかを検討されてみてはいかがでしょうか。
フリーランス活用のための制度整備のご相談もこれから増えていくことと思いますが、自社の「人材活用全般」に関するお悩みがございましたら、是非みらいコンサルティンググループのコンサルタントへとお声掛けいただけますと幸甚です。
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