Regional Transformation地域創生
2024.02.16
対馬島の地域創生 ―「壮大な社会実験」をする心意気―
対馬島(対馬市)は、九州の最北端にある、朝鮮半島から約50kmしか離れていない日本で三番目に大きい離島です。ツシマヤマネコや朝鮮通信使で対馬島をご存じの方もいらっしゃると思いますが、独特な資源で離島振興を目指しています。
先日、長らくお世話になっている財部能成(たからべやすなり)さん(対馬市・前市長)が対馬の「味」を扱う会社「つしま総本舗株式会社」を立ち上げたとのこと、電話でご連絡をいただきました。
創業100年以上の歴史を持つ対馬の醤油会社が、人口減少やコロナ禍により経営が困難となったため、財部社長と関係者の方が「対馬のために」と再生に取り組まれることとなったそうです。お電話でも、「この対馬で、壮大な社会実験をしようと思っている。これがうまくいけば、離島や苦しんでいる地域のエネルギーになる」とお話しされており、その心意気に感銘を受けました。
おりしも、みらいコンサルティンググループでは株式会社Doooxの久保寺社長と「地域創生で何か共創できないか」というお話がありましたので、さっそく財部社長と久保寺社長とのリアル面談を福岡でセットさせていただきました。
株式会社Doooxは、「街盛プロジェクト」という地域活性化の支援事業を手掛けている企業であり、財部社長の心意気との“化学反応”を期待しての面談でした。
当日、財部社長は、対馬の「味」を国外や島外にどう売り出していくかというアイデアを、情熱をもってお話しいただきました。また、久保寺社長からは、実際に進行している街盛プロジェクト地域内での取り組みや、持続的に自走するためのコア人材の育成の必要性についてお話しいただきました。いずれも、「現場体験」がなければ得られない知見であり、その根っこには「地域への本気の想い」がある、ということもあらためて感じる機会となりました。
「壮大な社会実験」のスタートはこれからになりますが、地域への想いと想いが交わった先に産まれるものに期待がふくらみます。
私たちも、この想いにお力添えをしていきます。みなさまにおかれましても、離島ならではの魅力があふれる「国境離島」対馬、よろしければぜひ訪れてみてください。
<執筆者>
九州成長ラボ株式会社
吉田 裕司