値上げは正義! ~大切な「誠実さ」を次世代へつなぐために
原材料の高騰や、深刻な人手不足。「円安の影響でコストが上がる一方だ」「人手が足りず、現場が悲鳴を上げている…」今、多くの中堅・中小企業の経営者のみなさまが、かつてない荒波のなかで舵取りを強いられています。
なかでも、長年築き上げたお客さまとの関係性を守ろうとするほど、「価格」のあり方に頭を悩ませておられるのではないでしょうか。「値上げはお客さまへの裏切りではないか」「見捨てられるのではないか」。そう葛藤されるのは、みなさまが誠実に事業と向き合ってこられたからこそです。
しかし、その「優しさ」ゆえの「耐え忍び」が、現場の誇りを少しずつ削り、結果としてお客さまを「支えきれないリスク」に晒しているとしたら――。今回は、値上げの本質から会社の未来を守るための「視点」をお伝えできればと思います。
現場の「献身」を持続可能な「力」へ
経営者のみなさまが価格を据え置いてこられた裏側で、現場の社員の方々もまた、並々ならぬ努力でそれに応えてきたはずです。
「古くなった機械を工夫して使いつなぐ」「熟練の技でタイトな納期に間に合わせる」。そんな現場の献身こそが、貴社の信頼の正体です。しかし、その頑張りに甘え続ける状況は健全でしょうか。報われない労働が続けば、大切な技術を引き継ぐ人もいなくなってしまいます。経営者が価格を正すことは、決して身勝手な決断ではありません。むしろ、「現場の社員の努力を、安売りさせない」という、リーダーとしての深い愛情と決意のあらわれなのです。
決断を支える「希望の算数」
大切なお客さまが離れてしまう恐怖は、簡単には消えないものです。そこで、みなさまの勇気を支えるため、「数字」の力を借りてみましょう。たとえば、粗利益率(売上から原価を引いた利益の割合)が30%の商品を、10%値上げした場合をシミュレーションしてみます。
【10%の値上げがもたらすインパクト】
| 項目 | 現状(単価1,000円) | 改定後(単価1,100円) | 変化率 |
| 1個あたりの粗利 | 300円 | 400円 | +33.3% |
| 粗利益率 | 30.0% | 36.4% | +6.4pt |
注目すべきは、「販売数量が減っても、利益総額が変わらない分岐点」です。
計算すると、なんと販売量が「25%」減少しても、会社の利益は1円も減りません。
10%の値上げで、即座に4分の1のお客さまがいなくなることは、現実的には考えにくいものです。この数字は、孤独な決断を下す際の確かなよりどころになるはずです。
誠実とは「生き残り続ける」こと
価格維持を続けることは、一見するとお客さまへの誠実さに見えます。しかし、利益を削り続けた末に、新しい投資もできず、サービスを止めてしまうこと。それこそが、長年信頼を寄せてくださったお客さまへの最大の不利益ではないでしょうか。
お客さまには、ぜひこう伝えてみてください。
「私たちは、これからも責任を持って、あなたを支え続けたい。そのために、この価格改定が必要なのです」
真のパートナーシップとは、互いに成長し合える適正な関係の上にしか成り立ちません。
値上げを機に去っていくお客さまがいたとしても、それは失敗ではありません。貴社が「安さ」だけで選ばれる消耗戦を抜け出し、真の価値でつながる存在へと脱皮するための健全なプロセスです。もし25%の空席が生まれたならば、その余裕を、残ってくれた優良なお客さまへのさらなる貢献や、社員の新しい挑戦のための「時間」に変えてください。
決断の先にある光
価格を決めることは、自社の価値を再定義し、社員の誇りを守ることです。
勇気のいる仕事ですが、その一歩が次なる投資を生み、お客さまにさらなる価値を提供する原動力となります。今すぐ、主力商品の粗利率を電卓で叩いてみてください。その数字は、みなさまが積み上げてきた努力の結果です。
私たちは、みなさまが積み上げてきた価値を正しく届け、未来を守るための決断を全力で応援し続けます。いつでもご相談ください。
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