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2020.07.06
世界を駆ける経営

中国現地からの最新情報:海南自由貿易港建設の全体計画

中国現地からの最新情報:海南自由貿易港建設の全体計画…

6月1日、「海南自由貿易港建設の全体計画」が中国政府から発表されています。

2035年までに海南省における貿易や投資、資金移動、人員の出入りなどの自由化を実現させ、「国の開放型経済の新たな拠点にする」とし、広東省沿岸部と香港、マカオの一体化を進める経済圏構想「ビッグベイエリア(大湾区)」と連動して発展を図る方針が示されています。

 

中国政府は、8日におこなわれた記者会見で、「海南自由貿易港建設の全体計画」について詳細な解説を行っています。新型コロナウイルス感染症により世界全体で経済が後退し、ディグローバリゼーション(脱グローバル化)と保護主義が台頭する中にあって、引き続きより高水準の対外開放を推進し、経済のグローバル化を推進していくことを目指していくとのことです。

この計画で注目すべきは、将来的に周辺の自由貿易港と優位性を相互補完し、地域及び世界全体の経済発展を牽引することを目標としていることです。
また、海南自由貿易港制度の設計は、貿易自由化について以下の政策が特徴として挙げられます。

・貨物貿易は「ゼロ関税」を基本に自由化政策を実施

・サービス貿易では、原則として許認可制を廃止し、備案(届出)システムを導入することによって、より自由な投資や事業活動を行うことが可能に

・公平かつ透明なビジネス環境を構築するため、現地政府は外資に対し、参入前国民待遇*に加え、自由貿易港独自のネガティブリスト管理制度を実行し、参入障壁を引き下げ

海南省の中心である海南島は中国の最南端に位置し、中国で最も人気のあるシーサイドリゾート地です。これまで海南島の主要産業は農業と観光業でしたが、将来は海南自由貿易港の建設に伴い、高度医療センターやインターナショナルスクールの誘致にも力を入れるとのことですので、今後は高度人材も集積し、次世代農業、ハイテク産業、先端サービス業の発展が期待でき、国内外からの投資が加速することが予想されます。


*:参入前国民待遇とは、投資の参入段階において外国投資家に対する投資とその投資が自国の投資者及びその投資を下回らない待遇を指す。

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