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2020.09.16
世界を駆ける経営

【中国】2020年外資参入「ネガティブリスト」の発表

【中国】2020年外資参入「ネガティブリスト」の発表…

2020年6月24日、中国国家発展改革委員会、商務局は2020年版『外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)』)を発表し、7月23日から実施されています。

新しいネガティブリストでは、第一次、第二次、第三次各産業において投資禁止項目が削減され、さらに制限されていた項目も開放されています。

 

ネガティブリストとは

『外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)』とは、外資系企業による投資の制限または禁止項目をリスト形式で規定しており、「全国版」と「自由貿易試験区版」で構成されています。

2020年版で制限が撤廃された分野

2020年版では金融業界・製造業・農業などで制限が減少しています。そのうち、全国版の制限措置は、2019年版の40項目から33項目に、自由貿易試験区版の制限措置は37項目から30項目に、それぞれ削減されています。

今回外資の投資を開放した主な分野は以下の通りです。

全国版

【金融】証券会社・投資信託会社・生命保険会社に対する外資出資比率の制限を撤廃

【製造業】放射性鉱物の生産・加工への投資禁止制限を撤廃、外商独資の商用車製造の出資比率制限を撤廃

【農業】小麦の新品種の育成及び種の生産に対する中国側の最低出資比率を34%へ引き下げ

【インフラ】人口50万以上の都市における下水道パイプラインの建設及び運営に対する中国側の持分支配の制限を撤廃

 

自由貿易試験区版

【製造業】漢方薬の精製技術と生産への投資禁止の規定を撤廃

【教育】外商独資による学制類職業教育機構の設立を許可

 

「中華人民共和国外商投資法」との繋がり

2020年1日1日から「中華人民共和国外商投資法」が実施されることにより、それまでの「中外合作経営企業法」が廃止されています。2020年外商投資参入ネガティブリストからは「合作」という投資形式(いわゆる合弁)が削除されていますので、この点からもネガティブリストの変更は、法律との一貫性を重視した、ということが分かります。

さらに、免除規定が追加され、国務院の関連主管の部門の認可および国務院の承認を得た場合は、特定の外商投資に対し『自貿試験区ネガティブリスト』における関連領域の規定を適用しないことが可能となっています。中国政府の柔軟かつ臨時応変に規制対象をコントロールしようとする姿勢が見られます。

 

グローバル化へ前進する中国

2016年から4年連続で外商投資参入ネガティブリストが減少したことから、グローバル化を迎えて中国の更なる経済開放が進んでいることがわかります。特に、金融業ではネガティブリストの制限措置がなくなり、外資系金融機関に対して完全な開放が実現しています。今後、金融業界においてはローカル金融機関との競争が更に激しくなるでしょう。

また、新型コロナウイルス感染症が発生して以来、世界の多くの国々で投資の自由化レベルが後退した現状に対して、ネガティブリストの対象の持続的な減少により、中国の投資自由化レベルは更に向上しています。

 

 

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