みらい経営者 ONLINE

経営課題の発見・解決に役立つ情報サイト

みらい経営者 ONLINE

  1. 世界を駆ける経営
  2. 中国データセキュリティ法の施行について

8tips世界を駆ける経営

2021.09.08
世界を駆ける経営

中国データセキュリティ法の施行について

中国データセキュリティ法の施行について…

2021年9月1日から、中国データセキュリティ法(中国語名:中华人民共和国数据安全法)が施行されました。同法は七章計五十五条からなり、「データ処理活動」および「データ安全監督管理」に対して規定されています。

 

同法でいう「データ処理(活動)」には、データの収集、保存、使用、加工、転送、提供、公開等が含まれています。また、「データ安全監督管理」とは、必要な措置を取ることにより、データは有効的に保護され、合法的な利用の状態のもとに置き、そして継続的に当該安全な状態を保持できる能力をいいます。

 

同法の主な部分としては以下の4つがあります。

1.国はデータ分類保護制度を作り、データに対して分類管理をおこなう。中国当局は重要データリストを作成する(21条)。

2.国はデータセキュリティ審査制度を作り、国家安全に影響を及ぼす恐れのあるデータ処理活動に対し国会安全審査をおこなう(24条)。

3.国は国家の安全及び利益の維持、国際義務の履行に関する制限品目に属するデータに対し、法により輸出制限をおこなう(25条)。

4.外国による制裁への対抗措置として、中国は当該国に同等の措置をとることができる(26条)。

 

そして、同法に違反した場合の罰則として、データの種類・重要性と違反の内容に応じて、 是正命令、罰金(5万~1,000万元)、事業停止・閉鎖、関連許可・ライセンス取消し等を命じることができ、民事責任又は刑事責任を追及することもできると定められています。(44条~52条)。

 

中国は近年、急速にIT社会が構築され、アリババ、テンセント等のプラットフォーマーが莫大なデータを所有しています。今回のデータセキュリティ法が施行されたのは、中国当局がそれらのデータの取り扱いについて国家安全レベルに引き上げる必要が出てきたと考えているためです。

 

しかし、法律の内容を見ると、肝心な定義の部分(例えば重要データの定義等)はまだ明確にされていないこともあり、現時点において日系企業に対する影響を判断することは時期尚早といえます。引き継きこれからの実施細則や追加規定に注目していく必要があると考えます。

PREV
中国における「少子化・教育費」問題とは
NEXT
中国・上海で、高齢者でも手軽にタクシーを

ページトップへ