なぜ、私たちは「LeRIRO福岡」を応援するのか?(シリーズ第3回)2024-2025シーズンの戦いから学んだこと

前回は、ルリーロ福岡への支援を通じて私たちが直面した「視界不良」についてお伝えしました。今回は、2024-2025シーズンを終え、チームの戦いぶりから私たちが学んだこと、そして今後の展望についてお話ししたいと思います。
地元に根ざした「手作り」の戦い
いよいよ始まったラグビーシーズン。ルリーロ福岡にとって、リーグワン(Division3)での初めての挑戦です。2024年12月、地元久留米でのホームゲーム初戦に足を運んだ私たちは、プロスポーツの舞台でありながら、その運営がすべて「手作り」で成り立っていることに驚かされました。
私たちが普段目にするプロスポーツは、専門の運営会社やたくさんのスタッフが関わって成り立っています。しかし、ルリーロ福岡の場合は、地元パートナー企業の皆さまの応援とご協力があって初めて、試合が開催できるのです。設営から運営、後片付けまで、地域が一丸となって支える姿は、まさに「地域スポーツ」の本質を目の当たりにする経験でした。
10連敗の苦境と、意識の変化
しかし、肝心の試合の結果は厳しいものでした。初戦の惜敗を皮切りに、チームは10連敗を喫します。リーグワン全26チームの中でも最下位という、非常に苦しい状況でした。選手やチームには、計り知れないストレスがあったことと思います。
しかし、シーズン後半に入ると、チームに変化の兆しが見え始めます。11戦目で念願の初勝利を挙げると、その後も勝利を重ね、最終的に3勝を記録しました。特筆すべきは、その3勝すべてが、後半での劇的な逆転勝利だったことです。
シーズン後、私たちはゼネラルマネージャーの後藤氏に、なぜ急に勝てるようになったのか尋ねました。すると後藤氏は、要因はさまざまあるものの、一番は「選手の意識が変わったこと」だと語ってくれました。
チームが勝てなかった頃は、「自分の役割さえ果たせばいい」という意識が強かったそうです。ラグビーはポジションによって役割が大きく異なるため、自分の役割を全うすることはもちろん重要です。しかし、それだけではチーム全体としての勝利には繋がりません。
それが、負け続けるなかで「勝つために、自分の役割以外でできることはないか?」と、選手たちが自ら考え、行動するようになったのだそうです。
成長を生むのは「結果」と「俯瞰力」
この話を聞いて、私たちは大きな学びを得ました。
まず、やはり結果にこだわることの重要性です。もちろん、勝つまでのプロセスや、そのために重ねた努力は決して無駄ではありません。しかし、周囲の期待に応えるのは、どんなに美しく努力しても、最終的には「結果」でしかありません。それはビジネスの世界でもまったく同じです。
そして、もう一つの学びは、「俯瞰力」の重要性です。自分の役割を果たすことは、社会人として、そしてチームの一員として最低限の義務です。しかし、そこで止まってしまっては、チームや組織に大きな貢献をすることはできません。
ルリーロの選手たちが示したように、チーム全体を俯瞰し、勝利や成功のために自分には何ができるかを考え、実行に移す力。この「俯瞰力」こそが、これからの社会で求められる人材育成のポイントではないかと私たちは考えています。
「意識の変化が行動変容を生み、それが成果をもたらす」。ルリーロの選手たちは、まさにこの好循環を自らの手で生み出しました。この経験は、ラグビー選手としてだけでなく、もう一つの本業であるビジネスマンとしての活躍にも必ず活かされるはずです。
私たちは来シーズン、この意識の変化が定着し、チームが大躍進を遂げることを心から期待しています。そして、その成長を間近で見守りながら、私たち自身も学び続けていきたいと考えています。
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