社長の“強い味方”! 学生インターンが見た「経営コンサルタント」の素顔~学生の視点が、組織の「あたりまえ」を揺さぶる~
「経営コンサルタント」。皆さんは、この言葉からどんな仕事を想像するでしょうか。企業の課題をシャープに分析し、解決策を提示する専門家。そんなイメージを持つ方が多いかもしれません。

先日、私たち、みらいコンサルティング福岡支社は、短期の学生インターンシップを実施しました。参加してくれたのは、北九州市立大学・地域共創学群2年生の井上ほの香さん(写真中央)。地域での活動に積極的に取り組む、エネルギーあふれる学生さんです。
そんな井上さんに、コンサルティングの仕事を実際に体験してもらうプログラムを用意しました。コンサルタントとしての「あり方」を学ぶ基礎研修から、経営改善や事業承継といった具体的な業務内容のレクチャー、そしてハイライトは、企業訪問と社長インタビューです。今回は、福岡で「質みなみ」を展開する株式会社みなみの宗社長にご協力いただき、井上さんにインタビュアーに挑戦してもらいました。
社会経験がまだ少ない彼女の目に、私たちの仕事はどのように映ったのでしょうか。私たち自身も、彼女の新鮮な視点から多くの『気づき』を得ることになりました。
コンサルタントは「お金」の専門家?
「インターンシップに参加する前は、経営をよくする、ということは、会社が稼ぐお金や使うお金に関することが仕事の中心だと思っていました」
井上さんは、少しはにかみながらこう話してくれました。しかし、実際の業務内容を知るうちに、そのイメージは大きく変わったといいます。
「もちろんお金のことも重要だと思いますが、それだけではなく、社員の働きがいや組織の風土といった、企業内部の『人』に関わることまで支援していると知って驚きました。会社の未来を創るためには、数字だけでは見えない部分がとても大切なんだと分かりました」
たしかに、企業の根幹をなすのは「人」です。その人たちが持つ能力を最大限に引き出し、組織としての一体感をいかに醸成していくか。それは、企業の持続的な成長に欠かせない要素なのです。
社長にとっての「強い味方」
もっとも印象的だったこととして、井上さんは宗社長と打ち合わせをするコンサルタントの姿を挙げてくれました。
「その姿は、『(問題解決のために)一緒に考えてくれる協力者であり、強い味方』であることを肌で感じました。ときには、社長が考えていたことと異なる意見をコンサルタントが伝えることもあるそうですが、それを受け入れてもらえると聞きました。それはきっと、お二人の間に強い信頼関係があるからこそですよね。その関係を築けていることが、本当にすごいことだと感じました」
孤独な決断を迫られることも多い経営者にとって、何でも話せる伴走者がいることは、大きな心の支えになります。私たちは、専門家として一方的に答えを提示するのではなく、お客さまに寄り添い、共に悩み、未来への道を一緒に切り拓いていく。井上さんは、その関係性の尊さに気づいてくれたのです。
もちろん、よいことばかりではありません。
「経営の意思決定に関わることは、とても責任の重い仕事だとも思います。もし間違った方向に進んでしまったら…と考えると少し怖い気もします。でも、逆に考えれば、支援した企業がよい結果になったときのやりがいは、すごく大きいんだろうなと感じます」
この言葉には、コンサルティングという仕事の本質が表れています。人の人生を左右するような大きな決定に関わるからこそ、私たちは常に自分自身を磨き続けなければなりません。知識、経験、そして人間性のすべてにおいて、日々の努力を惜しんではいけないのです。
また、井上さんは「大学で学んでいる『傾聴』、つまり相手の話を深く聴く姿勢が、実際のビジネスの現場でこんなにも大切にされていると知って、自分の学びにも自信が持てました」とも語ってくれました。私たちが日々実践していること、それは決して特別なスキルばかりではありません。これまでの人生で経験してきたこと、学んできたことの一つひとつが、誰かの役に立つ力になる。私たちの多くのメンバーが、そう実感しながら働いています。
インターンシップを終えて
今回のインターンシップは、井上さんにとって大きな学びの機会になったと同時に、私たちにとっても、自らの仕事の価値を再発見する貴重な時間となりました。
たとえば、私たちが「あたりまえ」に感じていたお客さまとの信頼関係が、社会経験の少ない方から見れば「すごいこと」だと映るという事実。私たちは、日々の仕事を通じて、お客さまの人生の重要な局面に立ち会うという、ありがたい機会をいただいているのだと改めて気づかされました。
コンサルティング会社は、就職先として人気職種のひとつと言われることがあります。しかし、その華やかなイメージの裏側には、地道な自己研鑽と、お客さまへの深い洞察、そして何より強い信頼関係があります。
今回、井上さんのような若い世代に、みらいコンサルティンググループが目指す社会貢献の本質が少しでも伝えられたとしたら、これほどうれしいことはありません。未来への投資である学生の受け入れは、同時に、自社の『あたりまえ』を見つめ直す絶好の機会となります。今回の経験が、インターンシップ導入を検討されている企業さまの一助となれば幸いです。
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