8tips
最大効率の経営

「管理」から「価値創造」へ ~ 組織の活力を最大化する、戦略的エネルギー配分術!

「管理」から「価値創造」へ ~ 組織の活力を最大化する、戦略的エネルギー配分術!

「部下の育成に時間が足りない」「伸び悩んでいる層を放っておけない」 そんな想いから、パフォーマンスの低いメンバーのフォローに、日々のエネルギーの大半を費やしてはいないでしょうか。

実は、その「一人も見捨てたくない」という親心が、結果として組織全体の成長を止め、優秀な人材の離職を招く「『よかれと思って』の落とし穴」になっているかもしれません。組織に必ず現れるといわれる「2:6:2」の構造を、限られた経営資源の「最適な配分」という視点で捉え直し、成長を加速させるための切り口をお伝えします。

「管理」を「投資」へ。考え方の大きな転換

「人的資本経営」という言葉の本質は、人を単なる「コスト(費用)」として管理するのではなく、未来の価値を生み出す「資本」として捉えることにあります。

人材という資本が生み出す価値は、決して固定されたものではありません。関わり方次第で大きく膨らみもすれば、放っておけば時代の変化と共に陳腐化してしまう、いわば「常に時価が変動するもの」です。この限られた時間とエネルギーをどこに投じ、いかに組織全体の価値を最大化させるか。その冷静な判断こそが、経営の要となります。

一般的に、組織には「上位2割(優秀層)」「中位6割(普通層)」「下位2割(苦戦層)」の比率が現れると言われます。この構造に対し、どこにテコ入れをすれば、組織が生み出す価値が最も大きく膨らむのか。その見極めが重要です。

下位2割への注力は、停滞への投資

現場でよく起こるのは、下位2割の底上げに膨大な時間を浪費することです。しかし、厳しい言い方をすれば、自ら変わる意欲のない層に投資し続けることは、価値が上がる見込みのない対象に資金を投じ続けるようなものです。これは経営判断としては「悪手」と言わざるを得ません。

「いつか変わってくれるはず」と過剰に手を焼き、マイナスの穴埋めに終始することは、一見優しく見えます。しかし、実は本人から「自律の機会」を、組織から「成長の活力」を奪っています。これが「見捨てない優しさ」が招く停滞の正体です。

ここで必要なのは、変えようと躍起になることではなく、「組織として譲れない最低限の基準」をはっきりと示すことです。基準を示した上で、自らアップデートしようとする姿勢が見られない場合は「適性の不一致」として別の環境を促す。それが組織にとっても本人にとっても、誠実な対応となります。

上位層を「輝かせる」ことが、中位層を成長させる

まず上位2割へ時間やコストを投じる、と考えてみてはいかがでしょうか。彼らを「放っておいてもやる人たち」として放置するのは、最ももったいない選択です。

上位層を徹底的に「輝かせる」こと。これが、組織の6割を占める中位層(普通層)を動かす最強の引力になります。 私たちは、魅力的な手本が身近にいて初めて、「自分もあのような姿になりたい」という自然な意欲が湧いてくるものです。上位層への集中投資こそが、組織全体の「価値の基準」を引き上げる原動力なのです。

「なんとなく凄い」を言葉にする。「コツ」の共有

上位層を輝かせるとは、単にほめたたえることではありません。彼らが無意識におこなっている「仕事の勘」を、誰もが再現できる「具体的な手順」へと翻訳し、組織全体に広めるプロセスを指します。

  • 「センス」を「手順」へ: 「なぜ彼らの話は相手に伝わるのか」を徹底的に分析して言葉にする。
  • 「仕事への姿勢」の共有: 優れた成果の裏にある「想い」を語らせ、中位層の心を揺さぶる。

「一部の人の特殊な技能」を「誰もが学べる技術」へと書き換えることで、中位6割にとって上位2割は「目指すべき目標」へと変わり、組織全体のアップデートが自然に始まります。

本当の「優しさ」を問い直す

下位2割に対しては「組織が求める基準」を厳格に求め、そこで浮いた時間とコストを「上位を輝かせ、中位を伸ばす環境づくり」に再投資する。これは一見冷酷に映るかもしれませんが、組織全体の価値を高め、存続させるための健全な判断です。

真に人を大切にする組織とは、頑張る人が正当に報われ、誰もが誇りを持って自らの価値を高めていける場所であるはずです。

特に、賃上げの波が迫っている昨今においては、この考え方を念頭に置くことが重要です。一律のベースアップで済ませるのではなく、個々の貢献や価値の変動に応じた戦略的な報酬設計をお勧めします。

「2:6:2」の下を見て嘆くのではなく、上を見ること。そして中位層が迷わず上を目指せる「具体的な成長の道筋」を整えること。貴社の「上位2割」の方々が持つ成功のコツを言語化することから、組織全体の活力を高めていく一歩を踏み出してみませんか。

もちろん、下位層は切り捨てればいい、そんな乱暴な話をしたいわけではありません。組織の成功・成長のための力配分を模索し続けること、これこそが人的資本経営の時代において必要とされているように思います。ご相談はいつでもみらいコンサルティンググループの担当までお願いします。

【関連記事】

成果は「結果」、追求すべきは「構造」

企業の復活ストーリーから学んだ「自律型組織」の本質

会社経営についてご相談ください

  • 課題を明確にしたい。
  • 課題解決の方法がしりたい。
  • 課題の整理がしたい。
  • セカンドオピニオンがほしい。

企業経営に関するプロフェッショナル集団が
お客さまの状況に合わせてご相談を承ります。

TIPS一覧に戻る

ページトップへ