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2020.12.22
世界を駆ける経営

セミナーレポート:大企業イノベーション誕生秘話 後編

セミナーレポート:大企業イノベーション誕生秘話 後編…

「物理的距離と身体的限界をゼロにする」をコンセプトにアバターロボット“newme”(写真中央)を展開するavatarin社のCEO深堀昂氏とCOO梶谷ケビン氏をお招きし、大企業の中でどのように新規事業がうまれ、世界が注目するスタートアップ企業の設立にまで至ったのか、2回にわたりうかがいます。

後編では、アバターによって我々の価値観や世界がどう変わっていくのかについて語っていただきました。

 

セミナーレポート≪前編≫はこちらから

 

ポイント

・できない移動やしたくない移動はアバターに置き換わる

・好きなところに住んで、好きなところで働くことがあたりまえになる
・アバターに誰でも接続できる時代が、全員が車に乗ったり電車に乗るよりも早く来る

・テレビ画面のみでは難しかった偶然の出会いの創出やチームビルディングも可能になる

・平面の二次元の世界に拘束されるのではなく、自由に三次元の世界を共有できることに価値がある

 

みらい「アバター“newme”がこの形になるまでにはかなりの試行錯誤があったんですよね。」

 

深堀 昂氏(以下、深堀氏)「そうですね。今までもアバターの可能性を模索するために、他のアバターロボットを活用して国内での実証はかなりの時間と回数をかけてやってましたね。海外のアバターロボットを作っているファウンダーの方とは今でも仲良しですし、苦戦したことや難しかったことも共有しあっています。やっぱり1社でどうのこうのではなくて、どうやったら新しいソーシャルインパクトを起こせるのかっていうのを皆思ってますので、お互い情報交換して良くしていこうっていうのはこれまでもやってきました。」

 

みらい「デザインで一番苦労したところはどんな点ですか?」

深堀氏「全部こだわってるのでひとつというのは難しいんですけれど、無駄な部分を残しているっていうのは結構重要な要素かもしれないですね。例えば(胴体の)丸みの部分もこんなの必要かって言われたら必要ではないですよね。ポールにしてしまえばいいので。ただ丸みがあることで可愛さや親近感が出ますし、あとは着せ替えもできるのでそういうところはすごく面白いかなと思ってますね。」

梶谷 ケビン氏(以下、梶谷氏)「あんまり人間に近すぎちゃうとログアウトした時に怖かったりしますし、“シンプルだけど人間らしい”っていうのをどういう風に表現するのかが1番難しかったですね。」

みらい「今回のコロナでは大きく貢献されていらっしゃいましたね。」

深堀氏「このパンデミックが初めてって訳ではなくて、モビリティ、運送業をやってる会社の皆さんは経験してるわけですよね。台風でモビリティが止まって、物資自体を届けられないことも災害大国の日本では多いので。そういう中で身体を移動するモビリティだけではなくて意識だけを瞬間移動するというモビリティがあってもいいんじゃないかっていうのは思ってましたので、2016年から準備して、今回アクションが起こせたっていうのはひとつ良かったなと思ってますね。」

 

みらい「コロナ禍では人の移動が大きく制限されました。人の移動は今後どう変わると思いますか?」

 

深堀氏「まず、できない移動やしたくない移動っていうのはアバターに置き換わってくると思いますね。住みたい場所にいながら1時間で3か所キャンパスを巡って学生生活を満喫するっていうことも可能になると思いますし、営業マネージャーだったら40カ所の営業所をアバターで回ることもできると思います。確かにリアルに行った方が密度は高いですけども、毎日5分入って様子を見に行ったとしたら、相談できる回数は全く変わってくると思うんですね。信頼関係も毎日会えるのと、1年に1回会えるでは全然違うと思います。アバターに誰でも接続できる時代が、全員が車に乗ったり電車に乗るよりも早く来ると思いますね。」

梶谷氏「好きなところに住んで、好きなところで働けるっていうことだけでも色々変わるなと思っています。そういった生活をするには、所属している会社がロボットを導入していないとダメとか、ロボットを自分が買って置いておかなければならないっていう世界だったと思うんですね。我々が目指しているのは、そもそも色んなところに設置されているので、自分が入りたい時に行きたい場所へ、5分10分だけ行けるようになることなんです。登山が好きだから山奥に住みたいという方でも普通に東京で働いて、三越で買い物して、水族館で観賞できるっていう世界を作っていきたいですね。」

深堀氏「最近社員で増えてるのがアバターワークですね。シカゴに住んでいる社員がいて、アバターで働いてるんですね。朝会社に行くとそのメンバーがぶらぶらしていて、みんな“Hi!”とか話しかけていて。通常テレワークだとなかなか仲良くなれないですよね。アバターだとめちゃくちゃ仲良くなりますね。
好きな場所に住んで、家にいながら、子育てしながら、好きな会社でチームビルディングできるって言うのは2年後3年後、当たり前の世界になるんだなと実感が湧いてきますね。」

梶谷氏「1週間アバターワークを試していたメンバーもいるんですけども、彼が翌週の月曜日に自分のデスクに来て“ケビンさんおはようございます!”って言ってきたんですよ。久しぶりの出社だったからだと思うんですけど、何で挨拶してきたのかその時は全く分かんなくて(笑)一週間すごく存在を感じていたんですね。社内飲み会も参加してたし、普通の生活というか、オフィスの雰囲気も変わりなく過ごしてたっていうのは印象的でしたね。」

 

みらい「テレビ画面だけでは、やはり同じ空間にいるって感じではないですよね。」

 

梶谷氏「人が多ければ多いほどアバターの良さって出てくると思っていて、アバターに入れば懇親会みたいな場も楽しめますし、偶然誰かとすれ違ったり、より参加してるインタラクティブ感がありますね。首振りの機能があるんですが、最近こういう使い方もありなんじゃないかなと思っているのは、居眠りしてるとかあんまり興味がなさそうな時は首が少しずつたれちゃうっていう(笑)」

 

みらい「それはおもしろいですね(笑)」

 

梶谷氏「そうすればどこまで関心持っているのかも伝わってくるんじゃないかとか思ったり。そういったディテールでもどんどん取り入れていきたいなって思ってます。」

 

深堀氏「海外の学会の先生方から依頼があったんですが、学会のネットワーキングがオンライン会議だと成り立たないと。講演を聞くだけならいいけども、学会の素晴らしいところっていうのは世界中の学者が同じ場所に集まって、偶然の出会いから共同研究や発明に繋がったりするので、それをアバターでやりたいと。日本橋で20台くらいテストでやってみようということで、5か国10都市の方が日本橋においてあるアバターに入ってネットワーキングをやったんですけども、面白かったですね。”久しぶりに先生会いました!”って普通にネットワーキングしているみたいになっていましたね。サイバーとリアルが交りあうような世界っていうのは面白いですよね。」

梶谷氏「平面の二次元の世界に拘束されるのではなく、自由に三次元の世界を他の知り合いとか友達と共有できるっていうのはそこに価値があるなと思いましたね。」

 

深堀氏「今日は渋谷QWSに来ているんですが、夜日本の人が使っていない時間帯にアバターを活用して、ここで海外の人が会議するとか、スペースマーケット的なこともできますよね。アメリカの青年たちが“日本のこと考えるんだったら渋谷QWSのアバターに入って考えようぜ”ってなるかもしれません。エッフェル塔の前のアバターに接続してブレストしようとか、そういった瞬間移動ができるのはすごくいいですよね。宇宙ステーションにも小型のアバターロボットを打ち上げましたので、宇宙空間のアバターに接続して平和について話そうよっていうのもできたらすごく面白いと思いますね。」

 

梶谷氏「アバターが普及した社会の話をしたんですけども、アバターに入っていない人たちも街に出るのがワクワクするんじゃないかなと思ってます。近所を歩いていても色んな国の人たちに出会ったり、毎日が違う世界っていうのが起きるんじゃないかなと。アバターで生活するというよりも、普通に外に出て色んな人たちとインタラクションできるってことも面白くなると期待しています。」

 

 

アバターによって我々の世界にどのようなインパクトがもたらされ、どんなことが可能になっていくのか、さらに詳しく知りたい方は是非下記動画URLよりご視聴ください。

※動画
https://www.youtube.com/watch?v=dK4DcWUUl2I&fbclid=IwAR2WLIRrzYTJdt8KMXlbhdcAohwwGuyCKECS7lqaHbMAEoVfJdmn9pEr73c

 

avatarin株式会社

代表取締役CEO 深堀 昂 氏(写真 左)

2008年に、ANAに入社し、パイロットの緊急時の操作手順などを設計する運航技術業務や新たなパイロット訓練プログラム「B777 MPL」立ち上げを担当するかたわら、新たなマーケティングモデル「BLUE WINGプログラム」を発案、Global Agenda Seminar 2010 Grand Prize受賞、南カルフォルニア大学MBAのケーススタディーに選定。2014年より、マーケティング部門に異動し、ウェアラブルカメラを用いた新規プロモーション「YOUR ANA」などを企画。

 

取締役COO 梶谷 ケビン 氏(写真 右)

2006年に、アメリカのボーイングに入社し、ボーイング787開発チームにて航空機の性能技術に関する業務を担当。2010年にANAに入社し、運航技術部にてボーイング787の導入支援業務を担う。2014年にデータベースマーケティング部に異動し、需要予測システムを設計。2016年にデジタルデザインラボに異動、新たなビジネスモデルの創造、エアライン初となるマイレージを活用したクラウドファンディングサービス「WonderFLY」などを発案しサービス化。

 

2016年10月にXPRIZE財団主催の次期国際賞金レース設計コンテストに参加し、アバターロボットを活用して社会課題解決を図る「ANA AVATAR XPRIZE」のコンセプトをデザインしグランプリ受賞、2018年3月に開始し、現在81カ国、820チームをこえるアバタームーブメントを牽引中。2018年9月、JAXAと共にアバターを活用した宇宙開発推進プログラム「AVATAR X」をリリース、2019年4月、アバター事業化を推進する組織「アバター準備室」を立ち上げ、共同ディレクターとしてプログラムをリード。

 

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