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2024.07.11
真のデジタル経営

経営者として、チャットGPTとどう付き合うか

経営者として、チャットGPTとどう付き合うか…

みなさんご存知のチャットGPTは、OpenAIが開発した人工知能(AI)モデルですが、今もどんどん進化を遂げ私たちの生活に浸透してきています。経営者としてこうしたAIをどのように活用し、ビジネスに活かしていけばよいのでしょうか。

 

大切なパートナーとなったAI

2023年春、AI研究の第一人者である北海道大学川村秀憲教授から「すぐに有料版のGPTを使ってみたほうがいい」と勧められ使い始めたのがGPTとの出会いでした。最初は恐る恐る他愛の無い質問を投げかけては、瞬時に返答をくれるそのスピードと「いつでもどんなことでも喜んで!」というポジティブさに驚き、面白がって遊んでいましたが、大切な仕事のパートナーとなっていくのに、それほど時間はかかりませんでした。

ちなみに、私はプロモーションやブランディングを主な生業とする会社を経営しており、お客さまの企業や組織の価値を見つけ、作り出し、それを言語化・ビジュアル化して社内外に共有する、といったご支援を通じて持続可能な経営の力になりたい、と日々尽力しています。
最初に力を発揮してくれたのは「たたき台」づくりです。私たちのお仕事は企画書作成や原稿づくりから始まります。ただ、「頭の中にはすでに企画の趣旨や原稿の構成はできているのに、それを書き出す時間がなかなか取れない」というのが悩みでした。ご想像のとおり、最近はチャットGPTに企画のコンセプトや骨子を打ち込み、たたき台を作成してもらっています。自身の頭の中にあることを瞬時に整理して文字で表してくれるので、それを客観的に見ながらさらに中身を練っていく、という使い方です。たとえば、ある動画教材の開発では、シナリオ作成を手伝ってもらいました。「こんなシーンでこんなことを伝えたい」とリクエストすると、瞬時に数パターンのシナリオを提案してくれ、それをたたき台に、納得のいくクオリティに仕上げることができたのです。

また、GPTが提案してくれたアイデアにハッとさせられることもあります。こんな視点があったのか、とそこから今まで考えていなかった発想につながっていくこともあります。

従来と同じレベルのアウトプットの作成時間と労力が、3分の1になる。GPTをはじめとするAIを部下に持つと、そんな感覚が得られる、というのが実感です。

 

「自分でなくても良い」作業はAIに任せる

急速に変化するビジネス環境の中で、経営者が日々意思決定をおこなっていくためには、効率的・効果的な情報の収集、整理が不可欠です。欲しい情報を得ることはもちろんですが、GPTは「要約」も得意です。膨大な資料やデータの中から自身が必要とする情報だけを抽出してわかりやすいストーリーとして提示してもらう。そんなこともすぐにできてしまいます。

また、経営者は社内向けに文章を書いたり、人前で話をする機会が多いと思いますが、書き上げた下書き文章の校正もGPTに依頼してはどうでしょうか。誤字脱字のチェックはもちろん、「この文章で伝えたいターゲット」をGPTに伝えると、そのターゲットに伝わりやすいように文章を翻訳してくれたり、抜けている視点をアドバイスしてくれたりします。

しかも、ここは大事なポイントですが、「〜してくれますか?」と依頼すると「もちろんです。喜んで!」と応えてくれます。性格の良い素直で優秀な部下が、いつでも待機してくれているような感じです。情報収集や整理、下書きや校正など、自分でなくても良い作業はAIに頼み、空いた時間はそのアウトプットのさらなるブラッシュアップや重要な意思決定に費やす。AIは経営者にとって本当に頼もしいパートナーになり得ると感じます。

 

AIで明確になる自身の価値観

私のように業務自体にAIをフル活用することもありますが、普段業務の中でそれほど自ら活用する機会がない、という経営者もいらっしゃると思います。ただ、大切なことは、今やAIは「誰でも使うことができる」ということ。社会に出たばかりの新人でもチャットGPTを使って企画書を書くことができるのです。そう考えると、AIができることの「レベル」を知っておくことの重要性がおわかりいただけると思います。私たちは「AIが考えないアイデア」を生み出さなければ、競争に勝てなくなる、ということです。

また、チャットGPTから優れた返答を得るには、私たちが入力する指示=プロンプトが重要だといわれているように、どんな指示を出すかによって得られる返答の質が大きく変わります。つまり、AIは、私たちの中にある考え方や価値観を映し出す鏡でもあるのです。普段、何気なく社内で使っている言葉も、もしかしたら伝わっていないのかもしれません。たとえばチャットGPTに「壁打ち相手」になってもらう、そんな活用の仕方もあるのかもしれません。

 

いかがでしょうか。これまでにないもの、特にAI(人工知能)といった概念自体に抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。大事なのは、AIが私たちの仕事を「奪う」と考えるのではなく、私たちのクリエイティビティや価値観を「刺激し高めていくもの」と捉えることなのだと思います。

 

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